河村たかし氏、名古屋市長選圧勝「減税を続けていく」

名古屋市長選で３選が決まり、大村秀章愛知県知事（右）から水を掛けられた河村たかし氏

　任期満了に伴う名古屋市長選は２１日に投開票され、現職の河村たかし氏（６４）＝減税日本推薦＝が３選を果たした。投票終了の午後８時０分から１分もたたずにＮＨＫなどが「当確」を出す秒殺劇。無所属新人の藤沢忠将氏（４３）＝自民党愛知県連推薦、民主党県連支持＝、柴田民雄氏（４８）＝共産推薦＝のいずれも寄せ付けなかった。

　午後８時過ぎに事務所でスピーチした河村氏は「減税を続けていく。市民の懐を暖めにゃいかん」と宣言。トラックの荷台で万歳を繰り返し、氷水をかぶる派手なパフォーマンスを繰り出した。

　強さを見せた河村氏だが、内心は焦りがあった。昨年末の衆院選では、減税日本系の１６人の候補者全員が落選。候補者擁立を目指す今夏の参院選を見据えれば、今回の市長選で少しの“陰り”も許されなかった。「勝利は当然、勝ち方が問題だった」と陣営関係者。「圧勝で（参院選立候補者の）公募への希望者も増えるはず」と期待を込めた。

　安倍内閣の高い支持率を背景に「河村潰し」を目指した自民党だが、選挙戦ではあきらめモードだった。選挙前には「青年局員を総動員する」とぶち上げた小泉進次郎党青年局長（３２）も、党からは選挙期間中の「国会活動の優先」を促された。結局、進次郎氏が名古屋に入ったのは１７日だけで、藤沢氏の応援演説はわずか１時間のみ。青年局総動員は“掛け声倒れ”に終わった。

　今回の選挙の投票率は３９・３５％。河村氏が初当選した０９年の５０・５４％、１１年の５４・１４％から大幅下落。支援者には「サンキューベリマッチ」とおどけた河村氏だが、圧勝の割には、参院選への影響は限定的との見方が支配的だ。

（2013年4月22日06時03分  スポーツ報知）

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