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【スポーツ】

緒方亜香里が初優勝

2013年4月22日 紙面から

◇第28回皇后盃全日本女子柔道選手権

皇后杯全日本女子柔道選手権大会で優勝し、胴上げされる緒方亜香里=21日午後5時50分、横浜文化体育館

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 ▽21日▽横浜文化体育館▽体重無差別▽世界選手権(8〜9月、リオデジャネイロ)女子代表選考会を兼ねる▽東京中日スポーツ、東京新聞後援

 ロンドン五輪女子78キロ級代表の緒方亜香里(22)=了徳寺学園職=が決勝で田知本愛(24)=ALSOK=に優勢勝ちし、初優勝。最重量級以外の選手の優勝は、第14回大会(1999年)の阿武教子(当時警視庁)以来14年ぶり。昨年優勝の山部佳苗(22)=ミキハウス=は準決勝で緒方に敗れた。

 ともに初優勝を懸けた決勝。田知本より1階級下の緒方は、一瞬の隙を見逃さなかった。先に指導を科されていた2分すぎ、起死回生の大内刈りで有効。終始田知本の足技に苦しめられたものの、勝負勘で奪った有効ポイントが冠の行方を定めた。

 「3月の関東予選の負けを含め、田知本さんとは今まで4度対戦しているので組み手は分かっていた。負けたくないという気持ちが出せた」。柔道人生初という胴上げで畳の上を舞った後、「勝った実感がやっと湧いた」と顔をほてらせた。

 過去2度の世界選手権で銅と銀をつかみながら、昨年のロンドン五輪はまさかの2回戦敗退。その責任を背負い込み、1カ月ほど道場に足を向けられなかった。そして正月、熊本への帰郷で両親と話したことが転機に。父達雄さん(62)から「あの負けが必ず次へのステップになる」と諭され、ようやく気持ちが前へ向いた。

 78キロ超級以外では過去13年間現れなかった女王。14年前に78キロ級選手として王座に返り咲いた阿武教子さん(現姓園田)は「試合数が増えるほど軽い方が不利になるが、きょうの緒方さんは常に組み手を制し、重量級のペースを狂わせていた」と快挙を分析した。

 「見ている人たちが『女子柔道いいね』と思ってくれたら、優勝して良かったと思う」と緒方。柔道界が年初から暴力指導問題などで揺れ続けた中、スピーディーな緒方の攻めっぷりが柔道の魅力を思い起こさせた。 (武藤康弘)

 

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