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【スポーツ】

高梨がリーグ3人目完全試合 早大では初

2013年4月22日 紙面から

◇東京六大学野球<第2週・第2日>

(21日・神宮)

 早大の高梨雄平投手(3年・川越東)が東大戦で東京六大学リーグ史上3人目となる完全試合を達成した。2000年の立大・上重聡以来で、早大の投手としては、ノーヒットノーランも含めて初の快挙。高梨の緩急をつけた投球で東大打線を翻ろうした早大は3−0で連勝、チームの開幕カードで勝ち点を挙げた。東大は50連敗となった。立大はサヨナラで明大に雪辱した。

 ネット裏の大学野球ファンがかたずをのんで見詰めた109球目。代打の西木がワンバウンドしたスライダーを空振りして三振。史上3人目の完全試合を達成した早大の高梨は派手なポーズもなく、グラブを左手でぱちんとたたいた。「終わった瞬間はホッとしました。記念写真を撮っていただいている間に、えらいことしちゃったなと実感しました」

 甲子園出場はない。小学校時代を含めてノーヒットノーランもない。前日7回1死まで完全の有原のような150キロ超の直球もないが、最速143キロの直球とカーブ、スライダーとの緩急が武器の左腕。初回から一人ずつを丁寧に打ち取った。大記録を意識したのは6回から。「四球とかで崩れるのが怖かったので、ずっと初回の先頭打者なんだと自分に言い聞かせて投げました」という。

 昨春はリーグ優勝に貢献したものの、秋は左肘と左足首を痛め、思うように投げられなかった。12月に足首を手術。今季は心中期していた。「有原と吉永が早稲田で目立っているピッチャーと思われていますが、自分も競争して奪うつもりでやってきました」。オープン戦から調子が上がらない吉永に代わってつかんだ、1年ぶりの先発マウンド。高ぶった。試合前にはいつものように、女優の平愛梨の動画を携帯で見て、心を落ち着けた。

 期待を越える完璧なピッチングを、岡村猛監督(58)はベタほめ。「ボールが多い投手で、いつも四球で崩れるんですが、きょうはストライク先行だった。7回ぐらいからベンチで刺激しないようにと思ってました」。

 謙虚な左腕に、おごるところはない。両親に見せるため、ウイニングボールを大事にバッグにしまった。「完全試合も1勝は1勝。こういうことをした後はむしろ怖い。次の登板もしっかり投げたい」。東京六大学球史に偉業を刻んだ左腕は、どこまでも堅実だった。 (小原栄二)

 

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