◇東建ホームメイトカップ<最終日>
最終日、9番でバーディーパットを沈めた松山英樹は、ガッツポーズ=東建多度CC・名古屋で(布藤哲矢撮影)
|
|
▽21日、三重県、東建多度CC・名古屋(7081ヤード、パー71)▽曇り、気温14.8度、風速5.8メートル▽賞金総額1億3000万円、優勝2600万円▽60選手▽観衆7888人
40位からスタートした松山英樹(21)=東北福祉大=が最終日に猛チャージ。7バーディー、2ボギーのベストスコア66で回り、通算2アンダーで10位にジャンプアップ。大物ぶりを見せつけた。69で回った塚田好宣(43)がプロ20年目にして悲願の初Vを達成した。
魅せた、そして決めた。これぞ松山劇場、これぞプロだ。松山の最終9番パー4。多くの選手がティーショットで安全策を取る中、「その方がバーディーの確率が高いと思った」と、強気にドライバーを握った。結果は大きく右にそれ、カート道を転がり隣のホールに。だが、ここからが大物の真骨頂。残り120ヤード。「これが入ればトップ10だな」と、9番アイアンを振り抜くと、ボールはピンそば3メートルにピタリ。きっちりバーディーを奪い、4日間で一番の力強いガッツポーズ。目標に掲げていたトップ10入りも果たした。初賞金314万6000円を獲得した。
常に注目され、多くのギャラリーを引き連れたプロデビュー戦。「プロとアマの違いは何もない」と繰り返した。「たくさんの方に見られてプレーするのは楽しかったけれど、変な球を打ちまくって恥ずかしかった」と照れ笑いも。前日に2発のOBでトリプルボギーをたたいた12番では、バーディーを決め、ボールをグリーンそばにいた男の子にさりげなくプレゼントした。プロゴルファー松山英樹としてスコアには表れない成長も遂げている。
昨年の賞金王、藤田寛之は「最後までまくる(追い上げる)。やっぱりあいつは世界で戦える。世界へ羽ばたいてほしい」と太鼓判を押した。「スコア的には満足している。賞金の使い道は特に何もない」とデビュー戦を振り返った松山。プロとして、確かな足跡を記した。 (川村庸介)
この記事を印刷する