'13/4/22
飲酒運転条例めぐり意見交換
飲酒運転をなくすための独自の広島県条例制定をテーマにした意見交換会が21日、広島市中区であった。飲酒運転で家族を亡くした遺族は制定を求める一方、アルコール依存症を治療する医師は「患者への偏見を生む」と慎重論を唱えた。
会合には13人が参加し、それぞれの立場から発言。飲酒運転事故の犠牲となった安佐南区の崇徳高2年三浦伊織君=当時(16)=の母由美子さん(42)は、先行した福岡県条例を紹介し「飲酒運転の常習性が高いとされる依存症患者も視野に、再犯防止策を盛り込むことが必要だ」と訴えた。
これに対し、医師でせのがわKONUMA記念広島薬物依存研究所(安芸区)の小沼杏坪所長(71)は「依存症を対象とする条例は、患者は飲酒運転をするという偏見を生む」と主張。アルコールの正しい知識を深めることが重要だと指摘した。
【写真説明】意見交換会で「これ以上、被害者も加害者も出したくない」と呼び掛けた由美子さん(手前左から2人目)