虚構の環:第2部・政策誘導/3 発行元示さず再処理の意義強調、議員に配布
毎日新聞 2013年04月19日 東京朝刊
小出裕章・京大原子炉実験所助教が批判する。文書が「使用済み燃料の95%以上はまだ使えるプルトニウムやウラン」と表記している点について、小出氏は「93%は高速増殖炉がない現状では燃やすことができないウラン238。ばかげた資料だ」と語る。さらに「(再処理すると)廃棄物全体の放射能は10分の1程度に低減」との記載に対し「放射能(放射線量)は減らない。吸い込んだ時の人体への影響を示す数値(毒性度)と混同している」と指摘した。
昨年8月末、電事連の幹部と関西電力の副社長が別々に、まったく同じ文書を持参して永田町の議員会館を回った。事故を反省する記載は一切なく「原発ゼロは電気料金の大幅な上昇を招く」などと再稼働を求める内容で、原燃同様、発行元を表記していなかった。(肩書は当時)=つづく