一流大の学生たちがなぜ
洞口さんと一緒に暮らす中核派の若者たちは、上智大、慶應大、東海大などの有名私立大学や、京都大、東北大、富山大、広島大、岡山大など、有名国立大学の学生やその出身者が多い。
この法大騒動で逮捕者が100名以上出ているのは、すでに述べた通りだ。なぜ彼らは高学歴を捨て、さらに前科が付くリスクを背負ってまで、まるでオウム真理教の「サティアン」のような場所で共同生活を送るのか。
中核派のどこがそんなにいいのか?
大学4年生の時、沖縄・米軍辺野古基地建設阻止闘争に参加したことから、中核派の学生活動家になったという元慶應大学生の松室しをりさん(24歳)はこう語る。
「元々戦争に反対していたが、実際に止める力はなく、無力感を感じていた。しかし中核派のデモに参加して、自分たちが団結をすれば戦争も止めることができるし、大学から社会を変えることができることを知った。衝撃的というか、人生観が変わった」
元東北大学生の中核派系全学連委員長・織田陽介さん(28歳)は、
「元々はストリートミュージシャンを志していたが、中核派のことを知り、これだと思った。『音楽やるより、革命をやる方がずっと面白い、スゲェー!』と。若者が古い価値観に縛られている限り、歴史は絶対前に進まない。あらゆる常識とか、大人の言葉は関係ない。俺たちは自由だ。人類史が俺たちに革命を約束している、そう思ってやっている」
と、少し高揚しながら語った。
さまざまな活動家に話を聞くなかで共通していたのは、ラディカルな中核派の思想が、彼らにとって魅力的に映ったということだ。そして、個人主義が蔓延している若い世代の口から出る「団結すれば戦える」「仲間以外に失うものはない」という言葉からは、団結することそのものに対する強い憧れが感じられた。
彼らの主張をどう見るか。少し後のことになるが、中核派について客観的な意見を求めたいと考え、元中核派幹部で、現在は社会批評家として活動する小西誠氏へ取材したことがある。小西氏はこう言った。
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