［事件］【追跡　指名手配犯】六本木集団暴行死・見立真一容疑者　関東連合元リーダー　フィリピンに潜伏？＋（2/3ページ）（2013.2.24 18:00）

解散後もＯＢの結束

　捜査本部が着目したのは、金属バットで集団暴行するという手口。これは関東連合がよく使う襲撃方法だった。また、現場周辺の防犯カメラに映った犯行グループの画像を公開したところ、「関東連合の関係者によく似ている」という情報ももたらされた。

　グループが逃走に使った２台の車のうち１台も、関東連合関係者が役員を務める都内の会社名義であることも割り出した。

　捜査関係者によると、関東連合は平成１５年に解散したが、ＯＢは同世代を中心に強い結びつきを維持している。近年は六本木周辺のトラブルにたびたび顔を出し、２２年には元横綱朝青龍にＯＢが殴られる事件があったほか、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが暴行された事件では別のＯＢの男が実刑判決を受けた。

　捜査本部は防犯カメラの解析や関係者の証言などから、今回の事件に関与した関東連合ＯＢらのグループを特定したが、うち７人は事件直後に中国やハワイなど海外に逃亡していた。その中に、グループを統率していた関東連合元リーダーの見立容疑者も含まれていた。

逆らえぬ「残虐王子」

　捜査本部は今年１月、見立容疑者を除く海外逃亡組が帰国したのに合わせ、凶器準備集合容疑で、見立容疑者の２つ後輩の元リーダー、石元太一被告（３１）ら１８人を逮捕。うち１５人が同罪で起訴された。さらに、石元被告ら９人が殺人容疑で再逮捕されたが、東京地検は今月２１日、殺意の認定が困難と判断し、傷害致死罪などで起訴した。

　捜査関係者によると、ただ一人、逃亡を続けている見立容疑者は昨年１１月２日にフィリピンに入国したことが確認されており、現在も同国に潜伏している疑いが強い。捜査本部は今月２１日、殺人容疑などで、見立容疑者の公開手配に踏み切った。