早くもエースの風格すら漂ってきた。巨人・菅野が20日、広島戦(マツダ)に先発。気温10度を下回る寒さ、雨でぬかるんだマウンドといった悪条件をものともせず、赤ヘル打線を6回わずか1安打に抑える力投で、今季3勝目をマーク。この白星の背景には、菅野の新人離れした「心構え」があった――。
川口投手総合コーチはこの日の菅野の投球を興奮気味に振り返った。「(マウンドは)半歩くらい滑っていたが、そんな素振りも見せずに淡々と投げる姿は新人離れしている。普通ならば(マウンドを気にして)下を見るのに、彼は下を一回も見なかったからね」
試合前から降っていた雨は、3回以降土砂降りの一歩手前といっていいほど激しくなった。砂を何度も入れなければならないほど、マウンドはぬかるんでいた。しかも気温は10度以下で、吐く息は白くなっていた。
そんな最悪のコンディションにも菅野は冷静だった。投球時に踏み出す位置を半歩縮めてぬかるみに備え、投球も「とにかく絶対ゴロは打たせないように、高めを有効に使っていこうと思いました。広島はハイボールヒッターが多いので(高めを投げて)フライを打たせようと」。野手の負担などを考え、フライアウトで打ち取ることを第一とした。
圧巻は2点リードした4回のピッチング。先頭のエルドレッドを死球で歩かせるも松山には外角を意識させての内角へ入り込むスライダーで中飛。堂林には外角カットボールで右飛に打ち取り二死一塁としたが、安部を四球で出し一、二塁。続く石原との対決ではファウルで粘られた。次打者席には代打の切り札・前田智。完全に追い込まれた状況だったが、最後は石原を外角高めの直球で空振り三振。その前に投げたカーブが効果的だったこともあって、菅野は思わずグラブをポーンと叩いて喜んだ。
最悪のコンディションにおける冷静な準備と、粘り強さ。これだけでも新人として図抜けている。さらに驚くべきは「下を向かなかった」(川口コーチ)理由だ。
「マウンドに上がっている以上、弱みを見せたらいけない。チームメートとかがみたら不安にもなる。ピッチャーというのは、そういう素振りを見せてはいけないと思う」と菅野。自分の投球だけでなく、相手の目、味方の目も気にする姿はすでに「エースとしての器量」すら兼ね備えているといっていい。
原監督も「コンディションは投げづらかっただろうが、そういった素振りをみじんもかけらも見せずにね」と、菅野の投げっぷりを称賛。投げるたびに能力の高さを見せる菅野。もはや巨人投手陣に欠かせない力となった。
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