デ・ラランデ邸:大正初期の姿に復元 「たてもの園」で来月20日から公開 /東京
毎日新聞 2013年03月28日 地方版
関東大震災や太平洋戦争の空襲をくぐり抜け、1999年まで新宿区信濃町に建っていた洋館「デ・ラランデ邸」が、都立小金井公園(小金井市)内の「江戸東京たてもの園」に復元された。赤い壁と大きな屋根の外観が特徴で、4月20日から一般公開される。
建物所有者だったゲオルグ・デ・ラランデはドイツ人の建築家で、1903年に来日。神戸市にある国重要文化財の「トーマス家住宅」(通称・風見鶏の館)を設計したことで知られる。
復元された建物は1910年ごろ建てられ、当初は木造平屋、瓦ぶきの洋館だった。これをラランデが自宅用に買い取り、スレートぶきの3階建てに大改修した。ラランデが死去した14年以降、何度か改築しながら持ち主を変え、最後は食品会社の事務所として99年まで使われた。
都は解体した建材を使い、残された写真を参考にしながら大正初期ごろの姿に復元した。中にはカフェも併設されている。
都生活文化局は「特徴的な意匠を多くの方に見てほしい」。問い合わせは江戸東京たてもの園(042・388・3300)へ。【柳澤一男】