国民栄誉賞:ファンら称賛の声…長嶋・松井両氏に授与方針
毎日新聞 2013年04月01日 20時54分(最終更新 04月01日 23時16分)
2人の同時授与を決めた政府の判断を「ファインプレー」とたたえたのは、漫画家のやくみつるさん。長嶋さんは第一線を退いて久しく「賞を授与するタイミング、大義がなかなか見つからなかった。現役を終えて区切りのついた松井さんと、彼を育てた長嶋さんの抱き合わせは絶妙。2人ともとても喜ぶだろう」と話した。
一方、スポーツ評論家の玉木正之さんは「2人とも国民栄誉賞に値すると思うが、なぜこの時期に同時授与なのか。安倍政権の追い風のためと邪推する人が出てしまうだろう。栄誉賞はあまり政治家に自由に使ってほしくないし、邪推を呼ばないようなスマートなタイミングで授与すべきだと思う」と話した。
スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんも「首相の都合のよい時期に授与されている経緯があり、国民栄誉賞が安っぽくなっている。夏の参院選を見据えたものだろう。長嶋さんはプロ野球にとって大きな存在だったことは確かだが、なぜこのタイミングなのか」と疑問を投げかけた。
野球評論家の江本孟紀(たけのり)さんは「受賞はもちろん喜ばしいが、長嶋さんの受賞は遅すぎるくらいなので、松井君はかえって恐縮してしまうのではないか。球界関係者から見ると、受賞のタイミングと2人の組み合わせに違和感を感じる。政府は納得のいく授賞理由を説明すべきだ」と話した。
◇国民栄誉賞◇
福田赳夫政権下の77年に創設された。規定によると、表彰の対象は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」。最初の受賞者はプロ野球の王貞治さん。受賞者には表彰状や盾、記念品が贈られる。