福島第1原発事故:浪江町の避難区域再編 9市町村で完了
毎日新聞 2013年04月01日 01時04分(最終更新 04月01日 01時11分)
前町長と町議会の対立で混乱し、帰還困難区域と避難指示解除準備区域への再編が足踏み続きの双葉町。準備区域になる予定の沿岸部では、津波被害が住民を分断する。津波・地震の倒壊家屋は、東電の財物賠償の対象外だからだ。津波で自宅を失った男性は「国は『再編後に帰還できるようにする』と言うが、私たち家族は戻る家がない」と訴える。
自宅が残っていて賠償対象となる住民と比べ、より生活再建は難しいのに、はるかに賠償は少ない矛盾。タンスなどの家財道具しか賠償されず、住宅再建を見通せない。県内の借り上げ住宅に住む男性は「再編されても何の意味もない」と吐き捨てるように言う。
川俣町は、東部の山木屋地区が計画的避難区域に指定され、居住制限と同準備の2区域への再編を見込む。だが、放射線量の高い浪江町と隣り合う地域では「現実的に戻れる環境にならないのではないか」との懸念が強く、5年以上帰れない帰還困難区域への再編を求める住民がいる。町担当者は「4月に再度、住民たちと話し合いたい」と説得を図る考えだ。