朝鮮総連本部:宗教法人が落札 土地・建物45億円で
毎日新聞 2013年03月26日 11時40分(最終更新 03月27日 01時55分)
東京都千代田区にある在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の中央本部の土地・建物を巡る競売で、落札者を決める開札が26日、東京地裁であり、宗教法人最福寺(鹿児島市)が45億1900万円で落札した。最福寺の法主は頻繁に平壌を訪問するなど北朝鮮側と関係が深いことで知られる。東京地裁は最福寺が施設を買い受ける資格があるか審査し、29日に売却を許可するか決定する。
売却が許可され、債権者の整理回収機構などが不服を申し立てなければ、所有権は最福寺に移る。総連が土地建物を寺側から賃借することができれば、退去を避けられることになる。一方で、仮に総連側が寺側に資金を提供していたような場合は売却は不許可となるため、東京地裁は最福寺と総連の関係について慎重に調べる方針。
最福寺のホームページなどによると、池口恵観(えかん)法主(76)は安倍晋三首相ら多くの政治家と親交があり、「永田町の怪僧」の異名も持つ。北朝鮮との関わりも深く、たびたび現地を訪問しているほか、菩薩(ぼさつ)像などの寄贈を続けている。北朝鮮に滞在している「よど号グループ」のメンバーらとも面会を重ねているという。
秘書によると、池口法主は「北朝鮮と関係がある自分が落札すれば、反発を招くこともない。アジアの平和の場として使いたい」と話しているという。資金は最福寺が用意したとしている。
競売の対象は約2390平方メートルの土地と、地上10階地下2階(延べ床面積は約1万1730平方メートル)の建物。入札下限額は約21億3400万円。不動産鑑定士による売却基準価額は約26億6800万円で、入札には4者が参加した。【岸達也】