センバツ:主戦・安楽が決勝打 無敗の済美8強
毎日新聞 2013年03月30日 13時33分(最終更新 03月30日 19時39分)
第85回記念選抜高校野球大会9日目の30日は3回戦3試合。第2試合は済美(愛媛)と済々黌(熊本)が対戦。先制した済美が、一度は追いつかれながらも終盤八回に勝ち越し、粘る済々黌を振り切り準々決勝進出を決めた。優勝した76回大会以来の出場となる済美は、センバツ無敗で7勝目。
○済美(愛媛)4−1済々黌(熊本)●
エースで4番の安楽が投打に活躍し、済美が接戦を制した。同点で迎えた八回、安打2本で2死一、二塁とし、安楽の適時三塁打と太田の適時二塁打で3点を勝ち越した。安楽は丁寧に内外角を投げ分け、被安打7で1失点完投。済々黌は左腕・大竹が緩急をうまく使い、七回までに10奪三振と好投したが、終盤に力尽きた。
▽済美・上甲正典監督 みんなが一丸となって耐えたことで流れを引き寄せられた。安楽は球威が少し落ちていたがよく投げた。精神的に強くなった。
▽済々黌・池田満頼監督 大竹は安楽君と投げ合ったことで、後半に球威が落ちた。もう2点取れていたら、楽に投げられただろうが……。打線は最後まで速球に押された。
○…済美の9番・町田がバットでみせた。五回2死三塁の第2打席で、外角速球を右前へ流し打つ先制適時打。「勢いを与えてしまう三振だけは避けようと、ミート重視で当てた結果」と控えめだが、先頭打者として迎えた同点の八回は左前打で勝ち越し劇の口火を切った。「(先制打は)直球を打ったので、2度はない」と読み、変化球をたたいた。だが、充実感はないという。「まだ大会は続いているから」と気を引き締めた。
○…今大会注目の左腕である済々黌・大竹は、真っ向勝負を挑み、敗れた。同点の八回2死一、二塁。打席にはここまで投げ合いを演じてきた済美・安楽。「どうせ打たれるなら、真っすぐを打たれた方がいい」と外角速球を投げたが、決勝三塁打を浴びた。終盤は腕の振りが鈍くなり、球威が落ちたことが敗因となった。それでも「持てる力は出した。ただ単に力不足。また夏に戻ってきたい」と3季連続の甲子園を目指して気持ちを切り替えた。