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ドイツ建築家の明治洋館、実は日本人作? 都が調査へ
2012/10/09 13:53更新
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明治時代に来日したドイツ人建築家、ゲオルグ・デ・ラランデ(1872~1914)が創建した西洋式住宅として東京都が江戸東京たてもの園(東京都小金井市)に移築工事を進めている建物が、物理学者、北尾次郎(1853~1907)の創建だったことを示す新資料が見つかった。ドイツ在住の日本人研究者が発表した。建築史学者の間では「デ・ラランデによる貴重な建築物」と位置づけられてきたが、新資料が正しければ、埋もれていた明治の才人の足跡に光が当たる。
この建物は東京都新宿区信濃町にあった木造3階建ての洋館。デ・ラランデが晩年の約4年間をここで暮らしたことから、多くの近代建築史学者が「明治43(1910)年にデ・ラランデが自宅兼事務所として建てた」としてきた。
都は「文化的価値のある建築物」として移築保存を決め、平成11年に建物を解体し部材を保存。23年度から同園に移築復元の工事を進めており、25年に完成予定。移築費用として都は23年度に約4億円、24年度に約3億円を計上している。
新資料を発見したのは広瀬毅彦さん(51)。欧州などでデ・ラランデの足跡を調査してきた広瀬さんは、土地の所有者だった北尾次郎の子孫宅で明治時代の写真などを発見。北尾次郎が明治25(1892)年に自ら設計して平屋建ての洋館を建ていたことが分ったという。
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記事本文の続き また、広瀬さんは土地台帳などの記録を調べた結果、「土地は北尾次郎の死後もその長男が昭和期まで所有し続けており、デ・ラランデは借家人だった可能性が高い」と推定。平屋の洋館は明治末期頃に3階建てに増築されているが、「借家人だったデ・ラランデが増築部分の設計者だったと断定する根拠は見当たらない」としている。
一方、江戸東京たてもの園によると、「建物を解体し部材を調べた結果、平屋の上に2、3階部分を増築していたことが判明したため、デ・ラランデが増築部分の設計者だったと推定している」という。
しかし、関係学者らは解体調査後も「デ・ラランデが建てた」との説を変えず、都は24年度予算審議で都議会に「デ・ラランデ氏が創建」と説明していた。
たてもの園は広瀬氏の発表を受けて7日、ホームページに載せていた建物の紹介文を一部修正。小林克園長は「新たな発見は大歓迎で、広瀬氏に協力を求めて詳しく事実調査したい。調査で確認できれば見解を改め、北尾次郎の功績を後世に伝えたい」としている。
■ゲオルグ・デ・ラランデ ドイツ出身の建築家で明治期に来日した。旧朝鮮総督府の基本設計者として知られる。国内に現存する建築物は少ないが、設計した神戸市の旧トーマス邸は「風見鶏の館」として親しまれ、国の重要文化財に指定されている。
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