キプロス:銀行が再開…13日ぶり、引き出せる現金制限
毎日新聞 2013年03月28日 20時12分(最終更新 03月28日 21時11分)
【モスクワ大前仁】財政危機に陥り、欧州連合(EU)などからの金融支援が決まったキプロスで28日正午(日本時間同日午後7時)、休業していた国内の全銀行が13日ぶりに営業を再開した。現地からの報道によると、長い行列を作った預金者は開店後に次々と入店し、預金を引き出した。
キプロス政府・中央銀行は取り付け騒ぎを警戒し、口座から引き出せる現金を1日最大300ユーロ(約3万6000円)に制限。また、預金の一部が削られる10万ユーロ以上の口座については、預金の強制削減の手続きが終わるまで、引き出しを禁じている。営業再開直後は目立った混乱が起きていない模様だ。
キプロス政府はEUから支援を取り付ける狙いで、今月16日に全ての預金に課税する方針を決めたが、国民の反対を背景に議会で否決された。そのためキプロスとEUは25日、大手2行を整理・再編し、両行の高額預金の一部を削減し、破綻処理などの費用に充てる修正案で合意。EUは4月中に支援を正式決定し、100億ユーロを融資する方針。