【コラム】日本の国粋主義者による痛い指摘

 日本の国粋主義者のゆがんだ韓国こき下ろしだと、笑い飛ばすことができればいい。しかし、技術力の面で世界に通ずる企業が、韓国に何社あるだろうか。大企業は、ウォン安の恩恵を享受しながらも、利益を分配するどころか逆に下請け企業を絞り上げるばかりだった。この瞬間にも、北朝鮮リスクの非常ベルが鳴り、高齢化の秒針はスピードを増している。宿命のような国家の災難から脱出する方法を見いだせない限り、韓国は永遠に日本に追い付けない。

 今や韓国は、日本と繰り広げる国力競争で新たな転換点を迎えたようだ。韓国は一生懸命に走り、2000年代になって日本との国力格差は急速に縮まった。日本を追い越すという悲願がようやく視野に入ってきたかに見えた。

 しかし現在の状況は、韓国の期待が錯覚だったことを示している。経済には急ブレーキがかかり、3%成長も難しいほどになった。家計負債や就職難、貧富の格差、福祉需要といったあらゆる問題が、複雑にもつれ合ったままわれわれの前に横たわっている。一体どこから、どのように解決の糸口を探すべきなのかも分からない、総体的な苦境に陥った。

 日本は安倍政権発足後、反転のきっかけを見いだしたように思える。無制限に金を出してデフレを脱出するという「アベノミクス」は、実に単純な量的処方であり、成功するかどうかも不透明だ。それでも、取りあえずこの無謀な政策は受け入れられている。景気が良くなると、各企業は稼いだ金を社員に分配しようと賃上げに乗り出した。政治のリーダーによる決断が、日本全体に好循環の連鎖をもたらしたわけだ。リーダーシップとは、このように一国の雰囲気をがらりと変える。

 かつて日本がうらやんでいた韓国の得意技は、強力なリーダーシップだった。政治権力が主導権を握って国のエネルギーを結集させ、短期間で日本に追い付いた。しかし今は正反対だ。日本は、安倍政権のリーダーシップが国の活力をよみがえらせる求心点の役割を果たしている。しかし韓国は、深刻なリーダーシップの危機に陥った。大統領のリーダーシップは人事のごたごたにより台無しにされ、国全体が党派とイデオロギーによって切り裂かれ、きちんとしたものがない。

 腹が立つが、日本の国粋主義者のあざけりを目にして、逆に気分はすっきりした。何も考えず北朝鮮リスクを育ててきた19年という無駄な歳月が惜しまれ、高齢化の爆弾をなすすべもなく傍観する今ののんきな状況が怖くなる。何よりも、一部大企業の成功に酔いしれ、日本に完全に追い付いたかのようにうぬぼれて錯覚していたことが、あまりにも痛い。

朴正薫(パク・チョンフン)副局長兼企画エディター
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