石成基(ソク・ソンギ)さん逝去される

 戦傷病者戦没者遺族等援護法の国籍・戸籍条項の撤廃を求め、在日韓国人元日本軍人・軍属障害者年金請求訴訟の原告の石成基さんが8月30日心不全のためご逝去されました。在日の戦後補償を求めた志半ばでのご逝去、残念でなりません。ご冥福をお祈りします。

 石さんは韓国慶尚北道出身で旧日本海軍の軍属としてマーシャル諸島で1944年にアメリカ軍機の攻撃を受けて右腕を切断。戦後、日本人には支給された戦傷病者戦没者遺族等援護法の障害年金が国籍を理由に支給されなかったため、政府などに働きかけた。1992年に提訴。最高裁は今年4月上告を棄却し敗訴が確定した。

 しかし、この問題は、戦後50年を契機に盛り上がった戦後補償運動の重要な課題として社会問題化し、日本政府は国連自由権規約人権委員会のコメントでこの問題の解決を促されていた。政府は今年、当事者の年金支給の要求を無視する形で不十分な弔慰金法(一時金:平和条約国籍離脱者等である戦没者遺族等に対する弔慰金等の支給に関する法律)を施行し、支給しはじめた。

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