東京都外国籍職員の管理職昇任試験拒否訴訟 〜最高裁大法廷判決〜(2005/01)


 1月26日。東京都の職員で保健師の鄭香均(チョン・ヒャンギュン)さんが、外国籍職員の管理職試験受験を東京都が拒否したことを不当として訴えていた裁判の最高裁判決公判が、大法廷で行われた。

 一審は敗訴。二審は逆転勝訴となり、東京都が上告し、約7年を経て判決を迎えた。今回の判決では、最高裁が公務員の国籍条項について、初めての憲法判断を下す可能性があり注目を浴びていた。当日は166枚の傍聴券を求めて、200人以上の方が最高裁に列を作った。

 15時に開廷。最高裁判所長官が判決を読み上げる。「主文。原判決のうち上告人敗訴部分を破棄する。前項の部分につき被上告人の控訴を棄却する。控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。」。開廷から数分で閉廷となった。

 判決は、原告敗訴。「採用した外国人を国籍を理由として勤務条件で差別をしてはならないが、合理的な理由があれば日本人と異なる扱いをしても憲法には違反しない。」との理由が多数意見を占めたとのことであった。

 原告側の敗訴は確定したが、15人の裁判官のうち、2人の裁判官は反対意見を述べていた。そのうちの1人の裁判官は「管理職選考の受験拒否は、憲法が規定する法の下の平等及び職業選択の自由の原則に違反する。」としていた。


最高裁判決骨子

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