ニュース60号 2003/10発行

  ■第16回総会報告

  ■解決か? 新たな枠組みか? 〜外国人学校の大学受験資格問題〜

  ■「川崎のハルモニ・ハラボヂ」韓国富川展報告

  ■裁判所は国際人権規約を理解しているのか 京都障害無年金訴訟判決は不当判決!

  ■一山、越えそう?! 入居差別 第9回平和開発との話し合い

  ■外国人差別に対する認識不足が露呈 入居差別 第10回 平和開発との話し合い

  ■第2回市民がつくるヨコハマ外国人市民会議の声を行政に! 〜多民族・多文化ネットワ

  ■第24回全外教大阪大会報告

  ■その他、夏の暑い報告

  ■某組合の定期大会で差別発言!


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■第16回総会報告

 7月9日(水)夜、かながわ労働プラザで、かながわみんとうれん16回総会が開かれ、特別報告を受けました。

[総会報告]
 02年度活動報告では、一昨年の住居差別への取り組みをはじめとして、さまざまな民族差別と闘う活動が報告されました。教育・国籍条項・参政権・無年金問題・歴史教科書問題・市長発言問題・相模原の取り組みから、他団体との共闘の報告など、定期的な幹事会とニュース発行のなかでの取り組みが報告されました。
 03年度活動方針では、ここのところの偏った報道をはじめとする困難な時代状況に対し、外国人住民の差別解消・差別撤廃・ 共生推進のため、各地域に根ざした地道な活動が提起され、承認されました。また、会計報告および予算案も、原案通り承認されました。今年度予算も、ほぼ昨年どおりの規模となります。会員のみなさんには、新年度の会費の納入をお願いします。新役員体制は、今年度から独立した事務局体制を作ることになり、強化されました。

[特別報告]
 「信愛塾」の報告を、竹川さんよりいただきました。1978年から始まり、現在子ども会活動・青年部・中学生部や語学講座・教育相談などの日常的取り組みを中心に活動を続けています。また、サマーキャンプを実施したりヨコハマ・ハギハッキョに参加しています。もともと在日韓国・朝鮮人の子どもたちへの支援から始まった信愛塾活動ですが、今は、中国人やフィリピン人などニューカマーの子どもたちも集うようになっています。
 子どもたちや保護者と直接関わってきた竹川さんからは、学校の先生へ「まるごと子どもを抱えて取り組んで欲しいんです」とのエールが出ました。そして、会場に来てくれた信愛塾の生徒さんからは「学校では言えないことが信愛塾では言える」「いろんな人から学んで大きくなっていきたい」との発言がありました。信愛塾が竹川さんたちスタッフが、子どもたちにとってかけがえない存在となっていることが分かるお話でした。

 次に「さがみはら国際交流ラウンジ」の内田さんより報告いただきました。相模原では、17年ぐらい前から渡日した労働者たちが集うようになりました。そのグル−プ活動の場を確保するためにこの交流ラウンジが必要となったのです。そこで「在日外国人と共に生きる会」などの地域で国際化を考える市民グループは、共同で市に働きかけ、交流ラウンジの設置を実現しました。(1996年)ラウンジは、半分教室で、半分事務室となっており、スタッフが3名ついています。運営はボランティアの協議会形式で行ない、費用は相模原市が出すというユニークな形です。内田さんたち「在日外国人と共に生きる会」では、市の国籍条項や年金問題等に取り組んできています。集う場が確保できることの大切なことが実感できるお話でした。

 3番目に、「川崎市ふれあい館・ケナリクラブ」について孫範道さんから報告いただきました。ケナリクラブは、川崎市ふれあい館ができる(1988年)前の青丘社の時代から、20数年の歴史があります。在日コリアンの子どもたちの仲間づくりの活動は、毎週土曜日に行なっています。母国語に触れたり、遊んだり、料理をつくったりしています。
 子どもが以前小学校で「朝鮮人だろ!」といじめを受けたのがきっかけで、クラブの指導員が定期的に学校へ行き、小学生に直接想いを伝えるようになりました。今年のアリラン祭に、その桜本小学校の6年生たちと劇を発表しました。範道さんの「子どもたちが安心して生きられる社会をつくっていきたい」との想いが伝わるお話でした。

 4番目に、在日高齢者生活支援事業「おおひん地区まちなかほっとライン」の湯浅さんに報告いただきました。ここでは、おおひん地区(川崎南部)の在日高齢者や障害者の相談援助やケアプランづくりなどを行なっています。この活動は、そもそも川崎市ふれあい館の識字学級に来れなくなった在日のお年寄りを援助するため、青丘社が相談窓口を作ったことから始まりました。翌98年には、在日高齢者の自主サークル「トラジの会」を組織。そして2001年、まちなかほっとラインが立ち上がりました。在日の高齢者には単身者やヘルパーを必要とする人が多く、在日の人たちが必要とするヘルパーやケアプランが不可欠です。しかも無年金の中、援助が必要な方が援助を受けていない、という理不尽な実態を訴えられました。

 最後に、「入居差別当事者メッセージ」を、 平舜さんからいただきました。この1年半を振り返ると、しんどいこともあったが、在日の同じ仲間に同じ思いを味わせたくないと頑張ってきた。また、自分の想いを整理できたし、職場の仲間にも伝えることができて、良かったこともあったと実感している。もうひとふんばりあるので、最後まできちんと話し合いもして、これから先も関係性をもっていきたい。

 以上、5人のみなさんにそれぞれの地域での地道な活動に根ざしたお話をいただき、充実した実践報告会となりました。

 かながわみんとうれんは、今年も引き続き、みなさんと共に活動してまいります。

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■解決か? 新たな枠組みか? 〜外国人学校の大学受験資格問題〜

 文部科学省は8月6日、外国人学校の生徒・卒業生に対する大学入学資格について、1.アメリカとイギリスに本部を置く学校教育評価団体(WASC、ECIS、ACSI)の認定を受けた外国人学校の卒業者に入学資格を付与する。2.本国において正規の高校課程(12年)と同等として認定されている外国人学校の卒業者に入学資格を付与する。認定されているかどうかは、各国の大使館等を通じて公的に確認する。3.大学の個別審査により、高校卒業と同等以上の学力があると認められる者に入学資格を付与する。という三つの基準を設けた旨を発表しました。また、さらに高等看護専門学校など「専門学校」の入学資格についても、同様に次の基準を設けると発表しました。

 1の基準により、16校のインターナショナルスクールが認められ、2でカナディアン・インターナショナルスクール、東京インドネシア共和国学校、東京韓国学校、リセ・フランコ・ジャポネ、東京横浜独逸学園、京都韓国学園が認められます。また東京中華学校、横浜中華学院について、日本との国交がありませんが、日本側の財団法人交流協会を通じて「公的に確認できるため」認めるようです。

 以上からから除外される学校は、朝鮮高級学校12校等です。ブラジル人学校とペルー人学校については、本国政府から認定を受けていますが、「修業年限12年」未満ということで認めないようです。これら除外される学校の大学入学資格は、3で各大学の個別審査になります。
 要するに、文科省の見直し案は、まず1と2の枠を設けて「朝鮮学校」「ブラジル人学校」などを除外し、3で救済の余地を残すといったものです。

 朝鮮学校の大学受験の道は、個別審査により開ける可能性は出来ましたが、あくまでも除外されている構造は相変わらずなのです。本当にこれでいいのでしょうか。


9月18日夜、文科省発表

学校教育法施行規則及び告示の一部改正について

1.外国人学校の取扱い

(1)評価団体による評価
 大学入学に関し高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者の指定(昭和23年・告示第47号)の一部を改正し、次の1号を追加。
 国際的な評価団体(WASC、ECIS,ACSI)の認定を受けた外国人学校の12年の課程を修了した者で、18歳に達したもの(第24号)
 ――3つの評価団体を告示にて指定。16校が対象となる(別紙参考1参照)

(2)本国での位置付けを尊重
 外国において学校教育における12年の課程を修了した者に順ずる者を指定する件(昭和56年・告示第153号)の一部を改正し、次の1号を追加。
 我が国において、高等学校に相当する外国の学校の課程(12年)と同等の課程を有するものとして外国の学校教育制度において位置付けられた教育施設の課程を修了した者で、18歳に達したもの(第3号)
 ――告示に別表を新設し、具体的な外国人学校名を列挙。今回は5校を列挙
(別紙参考2参照)
*その他の教育施設についても、「外国の学校教育制度において位置付けられた」教育施設であることが公的に確認ができ次第、追加する予定。
(注)上記の(1)(2)の改正による措置は、専修学校にも適用

2.大学/専修学校による個人の多様な学習歴等の個別審査

 学校教育法施行規則第69条第6号及び第77条の5第3号を次のように改正
 大学(専修学校)において、個別の入学資格審査により、高校を卒業した者と同等以上の(に準ずる)学力があると認めた者で、18歳に達したもの
 ―各大学(専修学校)において、個人の各種の学校などの多様な学習歴、社会での実務経験等を個別審査

3.公布日・施行日:9月19日

(参考1)評価団体による評価を受けた教育施設として
対象となる学校 16校
北海道インターナショナルスクール/東北インターナショナルスクール/コロンビア・インターナショナルスクール/セント・メリーズ・インターナショナルスクール/清泉インターナショナル学園/聖心インターナショナルスクール/アメリカン・スクール・イン・ジャパン/クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン/サンモール・インターナショナルスクール/横浜インターナショナルスクール/名古屋国際学校/大阪インターナショナルスクール/カナディアン・アカデミィ/マリストブラザーズインターナショナルスクール/福岡インターナショナルスクール/沖縄インターナショナルスクール

(参考2)今回、外国の学校教育制度において位置付けられた教育施設として
告示の別表に掲げた学校 5校
インドネシア学校東京/東京韓国学校/東京中華学校/横浜中華学院/京都韓国中学(原文のママ)
*その他の教育施設についても、「外国の学校教育制度において位置付けられた」教育施設であることが公的に確認ができ次第、追加する予定。

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■「川崎のハルモニ・ハラボヂ」韓国富川展報告

 昨年10月、川崎駅前で「川崎のハルモニ、ハラボヂ」展を開催し、在日高齢者の生活史と今とこれからについての情報発信を行いました.菊池和子さんの写真を通じ、多くの市民と在日高齢者のつながりを確保することができた企画となりました。その会場で「この企画を韓国にもっていって、開催したい」という提案がなされ、準備会が結成されて、多くの支援を受けながら、「川崎のハルモニ、ハラボヂ韓国富川展」を開催することができました.

 川崎と姉妹提携を結ぶ富川市の協力をいただき、民族の和解と平和統一を願う富川市民の文化イベントの企画として参加し、8月8日〜13日の間、菊池和子さんの写真を中心に、市庁舎のギャラリーで展示会を開催し、大きな反響をいただくことができました。そして、それに合わせ、在日高齢者30名を含む47名の市民訪問団を結成し、8日〜11日の日程で韓国富川市を訪問し、たいへんな歓迎を受けることができました。開会イベントでは、在日高齢者が何回か練習してきた民族舞踊を披露しました。

 写真展では、過去、川崎で徴用工として働き、解放後すぐ帰国された方が駆けつけてくださり、当時の日本鋼管の写真に、苦難の歴史を振り返る姿もありました.また、寄せられた感想には「日本に暮らす韓国人は、裕福に暮らしていると思った」という若い世代もいて、在日高齢者の厳しい生活史を改めて知ったという方々もたくさんいらっしゃいました。

 韓国を訪れた在日高齢者は、たくさんの歓迎を受けて、韓国を出てからの苦労の連続だったことを思いながら、涙を流す姿もありました.50年ぶりの家族との涙の再会を体験された方もいらっしゃいました。また、韓国の高齢者福祉会館を訪ね、交流しました。日本で生活せざるを得なかった在日高齢者も、帰国して解放後の復興に苦労した韓国の高齢者も、お互いに苦労を重ねたんだということを共感しあう交流プログラムは、在日高齢者にとって、わすれられない出来事として刻まれたようです。

 また、訪問団では、普段訪問できない車椅子利用の高齢者も多数参加しました。孫の世代の韓国の高校生が買い物にボランティア参加で同行し、車椅子を押してもらいました。高校生が可愛くて可愛くて、なかなか離れられないくらいの世代間交流がありました。高校生に助けられて買い物する高齢者の明るい表情に、一人ではなかなか来られなくなった在日高齢者の母国訪問を支え、保障する活動の重要性を感じました。
 さらに、同行した市民も、初めての体験をした方も多く、在日高齢者をホテルに訪ねる親族との姿に、普通の韓国旅行では体験することのできない小さな交流をたくさん垣間見ることができました。

 川崎には在日コリアンも多く、在日コリアンが掛け橋になり、富川市と川崎市の新しい市民交流の基点を記すことができたと思います。帰国後、富川市と川崎の市民交流の新しい展開を行うため、富川―川崎市民交流委員会発足の準備が双方で進められ、来る10月23日に調印式を行う準備が進められています。

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■裁判所は国際人権規約を理解しているのか
 京都障害無年金訴訟判決は不当判決!

 8月26日、「障害基礎年金不支給決定取消等請求事件判決」(以下、判決)で京都地裁は、原告の在日コリアン無年金障害者7人に、棄却判決を言い渡した。

 憲法に照らして、立法府は裁量権を有しており、国民年金法において、自国民を外国人より優先的に取り扱うことは許される。国籍要件を定めることは合理的理由のない不当な差別的扱いではない。国際人権規約に照らして、社会保障の権利については、推進すべき政治的責任を負うことをしめしたものであり、個人に対して具体的権利を付与したものではないから規約に違反しない。またすべての者は法の前に平等で平等な保護を受ける権利を有しているが、国の情勢、すなわち立法府の裁量権が認められおり、これが合理的な場合には当てはまらない。従って、国際人権規約には違反していない。よって、原告らの請求の理由はない。という要旨の判決でした。

 弁護士、関係者らは、「むちゃくちゃな論理」「結論ありきの判決」と、判決後の報告集会で、批判をしていました。
 基本的には、塩見判決(1989年最高裁判決)を踏襲しており、争点だった国際人権規約規約人権委員会意見については、「反対の立場とも解し得る説示をしている」と認知しながらも、「具体的な事例の判断の中でいかなる場合においても常に立法府の裁量を一切排除しているか否か明ではない」と、原告の主張、これは規約人権委員会の主張といえるが、ばっさり切り捨てました。むちゃくちゃです。

 原告らの金洙容さんは落胆しながらも「頑張ります」と最後に力強く答えていました。請求申請、地裁口頭弁論と約7年半、多くの時間を費やし、当事者が望む結果になっていませんが、今後、口頭弁論は大阪高裁に移ります。
 私たち、今、この判決に大いに抗議し、裁判長八木良一裁判官をはじめ京都地裁にその声を届けましょう。また、国際人権規約に報告するなど、この問題に関する世論をさらに歓喜させましょう。

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■一山、越えそう?! 入居差別 第9回平和開発との話し合い

 2003年7月7日に平和開発との話し合いを行いました。要旨は以下の様です。

長 倉:前回、痛いのがわかった。もっと、差別の背景知ろうと、ぺぇさんの話、勉強等をし直した。意図的な差別構造を知り、不当だと思った。そして、差別がおかしいと思うようになった。みなさんに伝えていただく中で自分自身の問題として考えられるようになった。
こちら:どういう勉強をしたのか。
長 倉:例えば結婚差別。なぜ在日が多いのかも知らなかった。就職差別。なぜある業界に在日が多いのかもわかった。今まで情報としては入ってきても聞き流していた。住民票もないのに、住民税を払っている。などなど。
こちら:この事件以降どう変わったか。
長 倉:外国籍の人は前向きに探している。
こちら:保証人はなぜ日本じゃないといけないのか?
長 倉:今までそうなんだと思っていたが、別に日本人じゃなくともい
いと思っている。
こちら:この事件に関してどう思っているのか?
長 倉:怖かった。これだけつめられたことがない。大きな経験をした。
平 舜:私もきつかった。しかし、なんで1年半もかかったのか
長 倉:おかしいと思ったが、痛みということがわからなかった。責められている感覚が強かったが、差別がおかしいと思ったとき、素直に話が聞けるようになった。
長 倉:差別がおかしいよと言えるようになりました。
平 舜:そこを考えようとしなかった。それはなぜ。やはり外国人は言わなきゃダメなのか。この差を知ってどう思います。どうして差別されるのか?
長 倉:つくられた意識を感じる。どうしらいいのか。時間がかかるものなのか?
こちら:時間は解決してくれない。向かい合わないと、変えないと。
長 倉:同僚、いろんな人と話してみたい。それが伝われば。
平 舜:出来るのか。
長 倉:社内でも伝えてわかってもらえると楽しさも感じる。
平 舜:私たちはいつもそうしている。伝えるしんどさを感じる時もある。それで傷つくときもある。そんなことは多々ある。
こちら:だから中途半端に話をすると反対に蔑視感を植え付けてしまう。本当にわかるまで、だから、この話し合いもとことんやっている。
長 倉:話し合いの途中、自分は理解者だと思っていたので、「何で」と思っていたし、それは私にもあったのでよくわかる。

 今までより、お互いに本音で語り合い、長倉氏との話を打ち切りました。平舜さんの「うわべだけない。当事者の痛みをわかり、共にわかちあえるような仲間になって欲しい」という思いを長倉氏は理解しはじめたと思えた私たちは、次回9/30に話を社の問題として、大西さんとの話を行います。やっと、一山越えました。

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■外国人差別に対する認識不足が露呈 入居差別 第10回 平和開発との話し合い

 9月30日、ふれあい館のおいて第10回の平和開発との話し合いがもたれました。
 平和開発から大西社長、長倉さんが出席し、川崎市市民局、まちづくり局から4人の方々、かながわみんとうれんを含めると15人ほどの参加者でした。
 今回は大西社長の話しがメインであり、最初にこれまでの話し合いに対する見解を語ってもらいました。

 「人種差別による入居拒否問題を起こしてから2年、当初は差別したのはルームグリーンであり、当社は悪くないと思っていました。ルームグリーンとの話し合いが先に終わって、ルームグリーンより当社の方が悪いといわれ、また、長倉が疲れて欠席したいと言った頃、ペイさんの思いや差別されて受けた痛みを考えるようになりました。これからは大家や宅建業界に、この問題を伝えていきたいと思っています。不動産業界は、沖縄出身の人々を差別したりする体質が、まだまだあり、差別するオーナーとは付き合わないようにしたいと思っています。」

 参加者の方から、「この事件は、人種差別ではなくて民族差別だ。切られたオーナーは反省することなく、別な場面で差別すると思うが、それでいいのですか?」という意見が出されました。
 大西さんは、「そのオーナーは困るはずで、また頼ってきたら、差別しないよう条件付けようと思います。今まで自分は傍観者だった。話し合いの回を重ねるごとに、 さんの言われたことを自分の体験に置き換えて感じるようになりました。」

  さんは、「大西さんの発言は今後のことは多いが、聞きたいのは、差別をどう思うのか、どのように気づいたのか、大西さんの気持ちを話してほしいと思います。どうもきれいごとにしか、聞こえないから。」
 そして大西さんは、「ルームグリーンが断ってきた時、事務所にいて悔しかったことを覚えています。当社があげた審査が断られる理由はないのに、通らなかったからです。 さんは保育園に勤め、父親はふれあい館の館長さんで、条件的には文句ない。在日ということで、断られる理由にはならないと思っていました。」
  さん、「なぜ、その時点で止めなかったのですか?」
 大西さん、「仕方ないと思ってしまったし、当社でも外国人を断ったことがある。しかし、 さんは外国人には見えないのに何で、と思ったからです。」
 この発言には、参加者からも驚きの意見が出されました。外国人とはどういう人々のことを言うのか。在日は外国人ではないのか。大西さんの外国人差別に対する認識不足が露呈された瞬間でした。

 日本人に近い人々は、オッケーで、それ以外の人は差別されても仕方がない。そのような価値観が、大西さんの発言から推測されます。問題の理解は何が差別で、 さんの痛みはどんなものだったのか、真摯に受け止めるところから出発します。2年かけてやっと、その入り口に到達できたように思います。

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■第2回市民がつくるヨコハマ外国人市民会議の声を行政に!    〜多民族・多文化ネットワーク〜

 7月25日に横浜市国際室に、3月15日に行われた「第2回市民がつくるヨコハマ外国人市民会議」で議論された内容を多民族・多文化ネットワークが要望書としてまとめて提出しました。当日は久保代表、神保事務局長など、5人で横浜市に伺い、国際室担当課長等に提出しました。

 要望項目は以下のものです。
○民族学校に通う子どもたちも横浜市民です。大学受験資格に対する差別を直ちにやめるように政府に働きかけてください。
○チマチョゴリの切り裂きなどの嫌がらせで子どもたちの学習権が脅かされています。民族学校への差別をなくし、人権教育や啓発を行うとともに、安心して教育を受けられる対策を講じてください。
○外国人集住都市会議などでも多くの不就学・不登校の子どもたちの存在が指摘されています。横浜市における外国籍の子どもたちの不就学・不登校の実態を調査し必要な対策を講じてください。
○市立高校への受験枠を設けるなど、外国籍の子どもたちの高校進学への保障のための対策を講じてください。
○外国籍市民への就職差別をなくすように民間に働きかけると共に、行政としても積極的な採用を講じてください。
○こうした、外国籍市民の声を聞くために、横浜市は早急に外国人市民会議を設置し外国籍市民の声を市政に反映してください。

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■第24回全外教大阪大会報告

 暑い暑い大阪の和泉市で、熱い熱い全国在日外国人教育研究集会が開かれました。
 和泉市人権文化センターでスタートした開会全体会では、初めから小学生の実にまとまったサムルノリや、中学生の完成度の高いチャンゴ演奏が披露され、全国からの参加者を圧倒しました。

 その後の様々なルーツを持つ若者たちのシンポジウム「同化から共生へ」では、彼らの生の声を聞くことが出来ました。在日コリアンからは、昨年からの拉致問題やイラク問題でしんどい思いをしてきている民族学校の後輩の話とともに、排他的になってきている日本社会の問題点が指摘されました。また、ブラジル出身の若者からは、日本人の彼の家族が持つ差別意識との葛藤とたたかいについて、本当に明るく話してもらいました。時間切れが惜しかったです。

 記念講演の鷺沢萌さんと左美和子さんの対談は、韓国留学で知り合った親友のお二人の軽快に毒の含まれたお話でした。最近の右傾化した、あるいは本性を現した人たちへの強烈なジャブに、会場は笑いでつつまれました。
 というわけで開会全体会は、昨年までのものに比べ、シンプルな構成ながらなかなか充実した内容で良かったです。

 終了後、近くの和泉市立幸小学校で、全国交流会が開かれました。そこでまず私たちを迎えてくれたのは、中庭での、小学校チャンゴサムクルの見事な演奏でした。そして「葛の葉物語」の人形劇。汗をかきかきの熱演を見せてもらった後は、グランドにブルーシートをひいて大焼肉大会でした。夜風にふかれながらの交流会は、解放感あふれる実に楽しいものとなりました。その手際の良さから、地元の実践の蓄積を感じました。

 翌日は、分科会です。全国から27本の実践報告が集まり、共通討議課題として、「多文化共生」と「本名を呼び名のる」とりくみをすすめよう。「子どもたちや教職員・地域がどう変わったか」を明らかにしよう。を柱に議論を深めました。

 その一つ、「多文化共生をめざして」分科会のA分散会では、部落解放県高校生交流会から、新たに「多文化共生」をテーマにした集会に発展させた滋賀県の取り組みが報告されました。集会当日は、サムルノリやカポエラの披露から始まり、全体会では被差別部落出身生徒、在日朝鮮人生徒、ペルー出身生徒の思いを受けとめたそうです。そしてお昼は、トックとチジミ、シュハスコ、おでんの食文化交流。最後は部落問題、在日外国人問題、障害者問題をテーマに分科会に分かれ、熱のこもった話し合いが行なわれたそうです。

 課題として、なかなか若者が集まらないという傾向はやはりあるようです。ただし、「集会」があることが集まるきっかけとなることを支えに今後も進めていきたい、とのお話でした。

 最後の閉会全体会では、全国から100人以上集まった生徒交流会の報告が圧巻でした。その中で、熊本から、元中国残留孤児である井上さんの呼び寄せ家族7人の強制退去取り消しを求める裁判のアピールがありました。高校生たちが声を合わせて歌でアピールする姿に、会場はあたたかい拍手でいっぱいになりました。

 今回の大坂大会全体を振り返ると、参加者は多くはありませんでしたが、手づくり感のある充実した大会でした。

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■その他、夏の暑い報告

◇箱根町 無年金 福祉給付金の支給要望の回答
 以前、ニュースでお伝えしたように、無年金問題の外国人高齢者、障害者福祉給付金の支給を湯河原町と箱根町に申し入れた件で、箱根町から回答がありました。町内での対象者3人の調査の結果は、現在は2人で、一人は生活保護受給者、もう一人は所得基準を越えており、該当者なしとのことでした。次は湯河原町です。

◇7/8就職差別問題啓発セミナー 主催:神奈川県、県教委、県労働局
 企業、学校関係者むけ啓発講演会。約500人参加

◇「排外主義にNo!」7・25緊急集会  主催 移住連、外キ連、みんとうれん
 麻生太郎・自民党政調会長による「創氏改名は朝鮮人が願って行われた」。江藤隆美・元総務長官「新宿の歌舞伎町は第三国人が支配する無法地帯」、(韓国併合は)「両国が調印して国連が無条件で承認したものが、どうして90年たったら植民地支配なのか」等の暴言に対しての緊急集会
 ネット上での情宣だけで100人以上が参加。当事者らがリレートークを行い、集会宣言を採択し、7月29日に江藤議員および自民党本部へは本日送付致しました。

◇外登法連絡会議 学習会
 自治体の在住外国人施策 「多文化共生社会にむけた取り組み」

◇平和を願い記憶しよう8月15日  中原中小企業婦人会館 50人参加

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■某組合の定期大会で差別発言!

 10月初旬に開かれた県内でも有名な某組合の定期大会で来賓で挨拶した県内最大の組合の委員長(?)が挨拶の中で「馬鹿だ、チョンだ」と発言したらしく、問題になっています。いうまでもなく、この言葉は差別発言であり、今や組合の役員が使うとは信じられません。今後、某組合と発言した組合の対応をまって、みんとうれんの取り組みを検討したい思っています。

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