川崎区四谷近辺の町会掲示板に、6月4日付けで「『サムターン回し』の空巣にご用心」という交番速報が掲示されており、「マンション等の周辺で挙動不審(携帯電話や見張り)な外国人風の者がいる」とし、「こんな不審者を見かけたら110番」をと、通報を呼びかけているという情報がかながわみんとうれんに入りました。
この速報の内容は日本人住民に対して不要に外国人に対する警戒心を煽り、外国人への偏見を助長するものです。近隣の住民にまちなかで携帯電話で話している外国人は怪しく、通報しなくてはならない対象だという意識をすりこみます。また外国籍住民にとって、まちなかで携帯電話を使用しているだけで近隣住民から警戒され、ともすれば通報されてしまうのです。
早速、私たちは、神奈川人権センター名で6月22日神奈川県警に、速報の回収、人権研修等の実施等を要望した申入れをしました。
同時に人権センターから神奈川県人権男女共同参画課に連絡してもらい、県が県警に、その後県からの連絡を受けた川崎市が臨港署に、問題の指摘をしたそうです。
臨港署は目撃情報からといいますが、外国人への偏見にのったものであり、今後、是正を促していきたいと思います。
5月の川崎市への申入れに続き、横浜に7/5横浜市に申入れを行いました。
外国人市民施策実現にむけての要望書(要望項目のみ)
1、このところ横浜市内において差別落書きが繰り返されるなど外国人市民に対する「嫌がらせ」や排外的な動きが発生しています。これを横浜市としてどのように把握し、その解決に向けてどのように努力しているかその方策を明らかにして下さい。。
2,松沢神奈川県知事による「外国人はこそ泥」発言は自治体の長によるデマゴギーの流布であり言語道断です。高い地位にあるものの差別発言や偏見をあおる行為は人種差別撤廃条約に反するものであり絶対に許されません。さて、今回この発言の背景にあると思われる「ニューカマー」の外国人労働者の増大に対し、横浜市としてどのように実態把握をし、行政施策を展開しようとしているのかその内容を明らかにして下さい。
3,在日外国人に対する就職差別事件が起こっているがその実態把握がどのようになされているか明らかにして下さい。また就職差別撤廃のための市民啓発など、どのような行政施策がとられているか明らかにして下さい。
4,今後ますます増えてくる外国人市民に対しそれぞれの言語に対応できる職員の存在が求められています。外国の自治体との交換職員の派遣制度などを作ることにより、その必要性に対応できる職員を養成するなど、具体的施策を検討して下さい。
5,「ニューカマー」の子どもたちの置かれている実態を把握するため、また子ども達が抱えている悩みや相談ごとなどを聞く場として、保護者及び関係NGOなどとの懇談の場を早急に、且つ定期的に設けて下さい。また在日外国人の意見を市政に反映させる一つの制度として在日外国人市民会議を早急に立ち上げて下さい。
6,関西では日本人が受給している年金額と同額にするために福祉給付金の額を大幅に引き上げ、制度の不平等性の解消に努めている自治体も出てきています。横浜市においても、早急に在日高齢者に対する福祉給付金の大幅引き上げを行って下さい。
7,オーバーステイや短期滞在期間中の外国人にあっても国民健康保険が利用できるよう制度的検討を行って下さい。
8,在日外国人職員の採用実績を他都市との比較において見た場合、横浜市の外国人職員の採用実績は極めて低い状態にあります。(この10年あまり14から15人という状況で国籍条項の条件付撤廃を行っても採用実績はまったく上がっていません。)多様化する行政需要に対応できるよう職員の選考方法も含め再検討して下さい。
9,職員採用における任用制限は即時撤廃して下さい。また教員については三県市(神奈川県、川崎市、横浜市)で連携し常勤講師採用を廃止し教諭としての採用を行って下さい。
10,「拉致」問題などを理由に在日朝鮮人の子どもたちに対する差別・迫害・嫌がらせなどの不当な人権侵害が行われていることが指摘されていますが、横浜市としてその実態把握に努め、適切な対応措置を行って下さい。
11,「在日外国人との行政施策上の差異」に対するその後の対応及び働きかけについて説明して下さい。
12,在日外国人の子どもたちが具体的に受けられるような奨学金制度を創設して下さい。
13,在日外国人問題に対する職員研修がどのようになされているか、その実施状況を報告して下さい。
14,他都市などでも行われている民族文化講師派遣事業を横浜市においても実施すること。またそのための事業体として横浜市外国人教育協議会を設置して下さい。
15,在日外国人問題を総合的に取扱い、行政施策として展開するための在日外国人市民施策指針を早急に作成して下さい。
桜本1丁目の小さな路地にある小さな部屋に、在日一世の何とも素敵なはんめたちが、集い、笑い、語り合っている。これまでの過酷な歴史を背負いつつ、仲間どうし支えあいながら花を咲かせて生きているおばあちゃんたちのドキュメンタリー映画上映が始まりました。
6月20日日曜日の午後、「花はんめ」の最初の上映会が、地元の桜本小学校体育館で開かれました。熱気ムンムンの会場には、何と500名の観客が集まりました。冷房のない会場は、脱水症になるのではないかと思うほどの暑さでした。しかし、観客は、映し出されるはんめたちの元気な姿にすっかりとりこになりました。
この作品は、在日コリアンの金聖雄監督がはんめたちの日常を4年にわたって記録してきた集大成です。監督が初めてはんめたちに出会ったのは、みんなでプールに入るために水着を買いに行くのに同行した時でした。その時のはんめたちが、とてもかわいく、いとおしかったそうです。そして、その輝く姿を是非記録したい、と映画づくりが始まりました。監督は、今までの在日リアンの映画に必要だった過去の説明〜「日帝36年」「植民地支配」「様々な差別の中を生きてきた」〜を長々と語らずに表現できないか、とはんめたちを撮影していきます。
スクリーンには、はんめたちの明るい笑い声がいっぱいでした。みんなで食べるキムチとごはん、歌い踊りだすはんめたち。心から解放されて楽しそうなはんめたちは「今が青春」と光り輝いています。そして、はんめを支えつつ一方では力をもらっている、家族、ヘルパーなど地域のみなさんも素敵でした。そのおかげで、普段見なれた桜本の街まで、とても美しく感じられる映像でした。
もちろん、その中に、はんめが過去の辛苦に満ちた強制連行の体験を語る場面もありました。あるいは、ぽつりともらすお連れ合いの死。それらの場面は、涙なしには見れません。
そして、はんめが明るく言った「生きてなきゃダメだよ」ということばが、後から生きている者達への限り無くやさしいメッセージとして心に残りました。
「花はんめ」は、今後各地で上映会を実施します。是非みなさんもはんめたちから力をもらいに行って下さい。
6月10日(木)に川崎市立桜本小学校にて、17回目の在日の想いに語る会が行われました。
今回のテーマは、「在日を知ろう」という事で桜本の地域から3名のパネラーによるリレートークが行われました。1人目は、朝鮮学校の出身者で、「自分の環境の中に朝鮮学校が中心にあり、民族教育によって自分の人格が形成されてきたと思う」と話をしていました。2人目は、地域の保護者(女性)で自分が子どもの時の話と、大人になって子育てをしていく中での話がなされ、自分の子どもたちには「違いを認められる人間になってほしい」と願っているとのことでした。3人目も地域の保護者(男性)で若いころは、外国人には様々な制限があって「外国人だからしょうがないか」とあきらめてしまう自分がいた。しかし、子育てをしていく中で、そうじゃだめなんだと気づき、自分の民族を出せる場作りが大事なんだという話をしていました。
その後は、分科会に移り3人のパネラーの話を中心に参加していた学校の教員からいろいろな質問が出ました。ある質問では、「本名を名乗ってほしいとは思うが、子どもから、何かあった時に(いじめ等)責任を取ってくれるのかと言われたら悩んでしまう。」とか「本名を名乗る名乗らないは親が決める事じゃないのか」という質問などもありました。
いずれの質問も中学校の教員からだったのですが、この質問を聞いて私は「今日ここに来ている先生たちの中に、どれだけの人が子どもたちと向き合えているのかな」と感じました。子どもは、責任を取ってくれといった時に悩んでいる先生を見たら、もっと本名を名乗れる自信がなくなると思うし、その先生をこの先信用出来なくなると思います。子どもは、「大丈夫だ、自分がついてるから心配するな!」という様な力強い言葉を期待しているのではないでしょうか?それに、本名を名乗る名乗らないは親が決めるよりも、まず自分の名前なんだから自分の意思が大事だと思うし、その意思を、先生は尊重してあげるべきだと思います。そして、学校の先生は、子どもたちがそんな心配をしなくても済む学校での環境づくりをしていってほしいと思いました。
事実確認会で勉強不足と指摘をうけ、その後、個別の研修的な話し合いを続けてきている大西社長ですが、2回目終えての現状です。今後、この話し合いを2回程続けて、事実確認会を再開する予定です。以下2回行ったこちら側の感想です。
同世代の日本人という立場から、かながわみんとうれん幹事2名と平和開発の大西さんとの話しをする場が4月13日に行われました。まずこちらからの在日との出会いや取り組みの中で見えてきたことについての話に始まり、その後は大西さんの話を聞きながらの懇談という形で進められました。印象としては、今回の差別事件を通して在日韓国・朝鮮人の歴史や現状を知らなくてはならないという姿勢を強く持っており、実際に書籍等での学習は積み上げているとの感じを受けました。しかし、自らの在日との出会いや関係についての話はありませんでした。話しの中で、大西の「友人が在日との結婚をあきらめた。お前には言えないけど、いろいろなことがあった」という発言をめぐる議論を深めることができればと思いました。(み)
5月18日(木)に、平和開発大西氏と話し合いを持った。みんとうれん側は幹事の金久高と金明夫が対応した。
大西氏は、本を読んだりする他に、業界での研修会等では、この差別事件に関して事例を発表するなど、知識も増え、経験も積んでいるものと見受けられる。
しかし、事実確認会で出されるみんとうれん側からの問いかけに対しては「正解」としての答えを探している様子である。
席上、「今の大西さんから見て、事件が起こった当時の自分を見て、どう思うか」という問いかけをしてみた。大西氏としては、「差別事件を起こしてしまった事は、たいへん申し訳なく思う。当時は知識も認識も無かった。」、「ペェさんを傷つけて大変申し訳ないことをした。」とのことであった。もう一歩、自らの経験と歴史を振り返って、過去の自分を点検することが求められているのであろう。
「自分は差別したことも、されたことも無い」という人は、いつでも「差別する側」と成りえるのだ。筆者自信も、日々の生活の中で自らを点検し、人権感覚を磨いていく事が絶えず必要であると思っている。(M)
既にご存知のとおり、厚労省は、再検討していた国保加入問題は一律排除となった。最高裁は一律に排除するのは違憲、条件により国保加入の道を認め、それまでの加入拒否に待ったをかけたが、結果は変わらず、明文化での排除となった。
2004年06月08日(火) 新聞報道
不法滞在者を一律除外に 外国人の国保適用対象から不法滞在の外国人をめぐる医療問題で、厚生労働省は、国民健康保険法の施行規則を改正し、在留資格のない外国人などが国保に加入できないことを明文化する。8日から施行し、国保の運営者である全国の市町村に周知徹底する。
現行法令に不法滞在者などを除外する明文規定がないことから、最高裁は1月の判決で「安定した生活を継続して営んでいる」など一定の条件下なら、加入の余地を認める初判断を示していた。これに対し、厚労省は「保険料徴収が困難」といった自治体の意見も踏まえ、制度の安定性を確保するため、一律に除外することをあらためて明確に打ち出すことにした。
最高裁判決を受け、同省は2月以降、東京都など自治体からの意見聴取も含め、例外的な加入要件を設けることが可能かどうか、検討してきた。この結果、(1)本来、強制退去の対象となる不法滞在者は「市町村に住所を有する者」を被保険者とする国保制度になじまない(2)加入要件の設定や確認作業が困難(3)他国でも適用除外が一般的などの理由で、不可能と判断した。
さて、その厚労省判断がでるちょっと前に3ヶ月ビザの外国人女性の国保加入の申請に同席した。担当職員は困惑しつつ、保険年金課に問い合わせた結果、「川崎市は判決後に厚労省の見解がでていない以上、市の方針は従来通り」と申請書類も書かせようとしなかった。その場で保険年金課とやり取りをし、何とか申請書を受け取らせた。市も保留のまま受け取り、後日、結果を連絡することとなった。しかし、それから2日国保加入が認められた。なんだったの?。区役所の対応も大問題だ。