ニュース73号 2005/5発行

  ■第19回 平和開発との話し合い報告

  ■無年金在日外国人障害者・高齢者の救済を求める取り組み

  ■喘息1週間の入院で25万円!

  ■外国籍住民の「地方自治」共同参画を!


ニュースのメニューへ

トップページへ

■第19回 平和開発との話し合い報告

 4月13日に平和開発との話し合いがおこなわれました。
 今回はこの問題に関する認識の変化と現在の見解を大西氏自身の言葉で語ってもらいました。

大西:3年半を振り返って、自分がこの問題にむきあっていなかったことがわかった。今までは自分が直接断ったわけではなくルームグリーンがやってきたことで不動産業界の体質のせいであると思っていた。結果としてルームグリーンの差別を平和開発は容認してしまったことをやっと認識できるようになった。他には、自分自身が在日韓国・朝鮮人に対して悪いイメージを持っていたということもある。でも話し合いを重ねるなかで、その歴史的背景から在日韓国・朝鮮人はさまざまな差別を受けてきたこと、いろいろなことを我慢しなければならない状況があることを知った。このようなことを平舜さんたちが話してきてくれたのに自分はかっこつけることや、取り繕うことばかり考えて腹を割って話しをすることができなかった。実際そんな指摘をたくさん受けた。外国人の悪いイメージや偏見の中から平舜さんをみて判断し、入居を断ってしまった。やっとこの1年間で在日の人たちが差別を受け、自分がその片棒を担いできたことに気づいた。3年半の間、平舜さんの思いを受け止めきれなかったこと、気づかなかったことをお詫びする。家主や業界にこの問題を訴え続けることによって、少しでも平舜さんの気持に応えられるよう努力する。

民闘連:自分の中では何が変っていったのか。
大西:業界の体質のせいではなく、自分のせいだと思うようになったというところが変った。
民闘連:業界の体質のせいにしていたことから抜け出せたことは大きな前進。2年前に外国人を受け入れる業社とそうではない業社があることを話し、外国人の客に物件を紹介して、『おいしい商売』という発言をした。当時の発言を振り返って今はどう感じているか。
大西:以前は外国人の客に対して「ここしかない」と言ってしまうときがあった。今は、なるべく本人が気にいる物件を紹介しようと努力している。当時の発言を振り返ってみると、とても自分が醜かったように感じる。

友人:大西さんがはじめて平舜さんに対して謝ったことについて、やっと彼女が痛い思いをしていたんだなと考え、気づいてくれたのは良かったのではないかと思う。これからも差別の問題について考えるのをやめないでもらいたい。
民闘連:私たちもいつでも差別する側になりうる。だからいつも考えていてほしい。いつも弱者の立場になり、助けられる平和開発になってほしい。

平舜:自分の気持を語ってくれたのはうれしい。こうして3年半Nを大西さんが振り返ることができたからこそ今話せることがある。私が保育士をしているのは、こどもが好きだからという理由だけではなく、子どもたちが大人になったときに「そういえば、韓国人の先生で面白くて明るい先生がいたよね。」と思い出してほしいから。韓国・朝鮮人に対してプラスのイメージを持ってほしいという思いがあった。その子がまた、そのイメージをいろいろな人に伝えてほしいと思っている。自分は恵まれていて、支えてくれる仲間や先輩がいるし、痛いと思ったときに声をあげられる環境にあるけれど、声をあげられないでいる在日がまだたくさんいるんだということを忘れないでほしい。

 次回は5月11日に大西さんが平和開発としての見解を文章にしてまとめてもらうことになっています。
 平和開発全社員や不動産業界への研修や呼びかけなど、残す課題はありますが、とりあえずは大西氏がこの問題を振り返って自分自身の言葉で平舜さんに謝罪したことは、大きな前進になったと思おもいます。

このページの一番上に戻る


■無年金在日外国人障害者・高齢者の救済を求める取り組み

在日無年金障害者にも無年金障害者救済法の適用を!
在日無年金高齢者に同様な救済を!
6月初旬 国会請願を計画中!

請願署名のご協力のお願い

 私たち「年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会」(以下、「全国連」)は、約20年にわたって在日外国人無年金障害者・高齢者の年金保障を求め続けてきました。2002年にはやっと、当時の厚労大臣坂口氏から在日外国人も含めた無年金障害者救済案が出されました。そして、2004年にはいわゆる無年金障害者救済法(特定障害者に対する特別障害者給付金の支給に関する法律)が作られました。ところが、この救済法から、またもや在日外国人は締め出されてしまったのです。

 私たちは、こうした差別をなくし、在日外国人障害者・高齢者に対しても年金(もしくはそれに匹敵するもの)が支給されることを求める請願を出していきたいと思います。 どうかぜひご協力お願いします。

 署名用紙については、もしできましたら、ご自由にコピー、印刷して周囲の方々にも手渡していっていただけるとうれしく思います。
 2005年の国会にあわせて提出したく思っていますので、第1次集約〜6月4日までにできるだけ多く集めて、上記の全国連事務局まで送ってください。(第1次集約に間に合わなかった方、団体は、第2次集約〜10月31日までにお願いします)

年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会 代表:李幸宏
事務局:601-8022 京都市南区東九条北松ノ木町12 在日コリアン生活支援センター エルファ
Tel 075-693-2550 Fax 075-693-2577 Email lfa@h7.dion.ne.jp

在日の無年金訴訟
5月25日 大阪無年金在日高齢者訴訟判決 13時15分 大阪地裁1009号法廷
 判決報告集会 18時30分 大阪人権センター 
6月1日
 京都無年金在日高齢者訴訟 10時〜 京都地裁101号法廷
7月28日
 京都無年金在日障害者訴訟 11時〜 大阪高裁202号法廷

このページの一番上に戻る


■喘息1週間の入院で25万円! 〜国保加入問題の実態把握からの報告〜

 この日本に在住していて、インフルエンザにかかっても肺炎になりそうでも病院へ行けない子どもたちがいます。オーバーステイの子どもたち(大人も)が国民健康保険に加入できないことをご存知の方は多いと思いますが、「かながわみんとうれん」では実態を把握するために県内在住の対象者にインタビューをおこないました。

 2歳のこどもが喘息で入院し、1週間の入院で25万円かかり、借金に頼らなければならなくなった話し。肺炎で医者に入院を勧められるが医療費が心配で入院を拒否し、点滴のみで(5万円)心配しながら家で見守った話し。診察後、子どもを背に会計窓口から見えないように逃げるように帰らざるを得なかった情なさ(後で払いに行ったよと笑顔で語っていました)。インタビューをおこなった後も地域では40度の熱をだした子の親が診療を躊躇し、まわりの者が強く勧め来院、1日で1万2千円余(診察、検査4000円、薬8000円)かかりました。

 横浜では結核の疑いのある子どもが通院できていない報告もされています。こどもは病気にかかります。そして通院は複数回となります。歯が痛くても我慢し続けなければならない子ども。インフルエンザでも病院に行けない子ども。子どもは在留資格や生活する地を自分で決定できません。国民健康保険へ加入する権利を奪っていることは同じ医療状況の地域に住んでいる他の子どもたちに比べ、オーバーステイの子どもたちに著しく不利益を与え、「生存権」を脅かしています。また「子どもの権利条約」にも反する行為です。親たちは日本に労働力として社会貢献し、納税も果たしています。それなのになぜ加入できなのでしょうか。私たちは深い憤りを感じます。

 法律遵守は当然ですが、国民健康保険事務の主体は自治体であり、法文規定外の解釈が必要な詳細な加入の是非は自治体判断となります。司法は裁判の中で“住所要件のみをもって一律に国保の加入を拒否することは憲法違反”と判断しましたが、その後厚生労働省は加入を認めないよう規則を改正してしまいました。「子どもの権利」と「子を思う親の気持」を考える時、私たちは国民健康保険への加入を求めしっかりと声をあげていきたいと思います。

このページの一番上に戻る


■外国籍住民の「地方自治」共同参画を! すべての定住外国人に地方参政権を求める多国籍・多民族市民の院内集会

 4月5日午後2時半から参院会館で定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワークの主催で「外国籍住民の「地方自治」共同参画を!すべての定住外国人に地方参政権を求める多国籍・多民族市民の院内集会」が開かれました。

 この集会は定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワークの日本での第2弾の取り組みで今回、きな臭い時流を吹き飛ばし、参政権取得に向けた取り組みで「すべての定住外国人に地方参政権を求める多国籍・多民族市民の共同声明」が33カ国47人+日本人123人の賛同を得て発表されました。

 当日、ツルネンマルティー議員、白眞勲議員をはじめとする民主党4人、共産党1人、社民党1人をはじめとする130人の方々が参加しました。国会議員のメッセージのあと、金敬得氏、田中宏氏、ジョージ・ギッシュ氏、エドワード氏、テレウゼ好子氏が発言し、外国人に閉ざされた政治参加の実現を訴えました。私は、書面で発表された海外在住日本人の在住国での地方選挙に参加したことを知り、日本との違いに唖然としました。

 国会では公明党が永住外国人の地方参政権付与法案が朝鮮籍を除外した内容で上程されていますが、それすら、1回のみの審議でとまっています。自民党は大反対、民主党は党内意見がまとまらずで、政局的には悲観的ですが、あきらめず実現にむけ、これからも頑張りましょう。

このページの一番上に戻る


ニュースのメニューへ

トップページへ