米シェールガス革命とは・・
テーマ:エネルギー高石市議会議員 松本善弘です。
米シェールガス革命とは・・
―次世代のエネルギーとなるか?―
石油や天然ガスは有限であり、また最近の中東情勢の不安定さ、さらに原子力発電を巡る議論が世界中で熱を帯びている中、エネルギー源の多角化という課題が世界各国にとって急務となっている。中でも近年注目を浴びているのが「シェールガス」だ。
アメリカがシェールガス革命で盛り上がっている。
シェールガスとは、頁岩(シェール)層から採り出すことができる天然ガスのことで1990年代から注目され始めた。
しかし、従来のガス田よりも深いところにあり、量産できる技術が十分に確立できなかったが、2000年代に入ってアメリカが大量生産できる技術を確立し、現在のブームとなっている。
☆シェールガスとは・・・
頁岩(シェール)層から採取される天然ガスのことをいう。天然ガスの貯留層が従来の砂岩ではないことから、「非在来型天然ガス資源」と呼ばれている。
米国では1990年代から新しい天然ガス資源として重要視されるようになり、「水圧破砕法」と呼ばれる採掘法を導入して開発が進められている。
現状では、この方法がどのような爆弾よりも効率的かつ安価だとされている。
アメリカでは、今後100年間はアメリカ全土で消費されるエネルギーの全てをオイルシェールからのオイルとガスで維持することができるといわれている」と言われている。
『アメリカの新・中国戦略を知らない日本人』(ハドソン研究所首席研究員の日高義樹氏)
☆米国のシェールガス革命はロシアの天然ガス事業に大きな打撃となり、米ロ間の新たな緊張材料?
また、米国以外の、特にロシアの天然ガスの重要な「顧客」であった欧州諸国もシェールガスの開発に積極的に乗り出すにあたり、ロシアはその妨害を試みてきたようだ。
結論から言えば、ロシアは環境問題等でシェールの開発が世界中で頓挫することを望んでいる。まだ過渡期で、ロシア政府がポジティブにシェール開発に携わろうとしている状況ではないとみていた。
☆シェールガス革命の肯定的な意見とは・・・
評論家の長谷川慶太郎氏はさらに楽観的で、ジャーナリストの泉谷渉氏との共著『シェールガス革命で世界は激変する』で、次の五つの変化が世界に起きると指摘する。
・アメリカ経済は金融、製造業ともに復活し、世界経済をリードし続ける。
・シェールガス革命による大規模投資において、日本の技術力が必要不可欠とされる。
・資源価格の下落によって、国際関係のパワーバランスに大変化が生じる。
・エネルギー・コストの大幅下落で、航空産業が飛躍的に成長する。
・エネルギー・コストの下落は製品価格を押し下げ、デフレがますます深化する。
などだ。
☆シェールガス・ブームはバブルか?
大阪経済大学客員教授の岩本沙弓氏は、「Voice」3月号「日米が向かう大バブルへの道」で指摘している。
「バブルを看過する政府や金融当局がいて、相場の変動から利益を狙う投機家が存在する以上、シェール革命がバブル化する可能性は否めない。
オバマ政権の第二期目の2013~15年にシェール・バブルが生成され、16年の次期大統領選挙前後に破裂となるのではないだろうか」という主張だ
シェールガス・ブームについて、報道が多いが、実のところは、それほど明るいニュースではない。
実際のリグ掘削はこの2~3年で75%減少しているし、シェールガス田用に注文されたポンプの数も50%減っている。
掘削した井戸は寿命が非常に短いことがわかった。
最初の30日はたくさん産出するが、その後、急に減少する。
米エネルギー省も、今年は、シェールガスの産出は2~3%増えるが、2014年には減少するとの試算もある。
果たして、どちらの見解が正しいか。
確かに、太陽光や風力に比べれば、シェールガスの大量生産は、今後の安定的なエネルギー供給に大きな期待を寄せてもよさそうだ。
しかし、かつてのアメリカのゴールドラッシュのようになる可能性も否定できない。
少なくとも、シェールガスさえあれば原子力はいらないといった安易な選択をするのは、まだ早い。
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