G20声明 日本の金融緩和を容認4月20日 3時21分
ワシントンで開かれていたG20=20か国の財務相・中央銀行総裁会議は、19日、共同声明を発表し、この中では先進国の金融緩和が自国通貨を安く誘導する政策ではないかという懸念を踏まえ「為替レートを政策の目標にしない」ことを改めて確認しました。
また、日本の大規模な金融緩和についてデフレを克服するためだと言及し、G20として円安誘導ではないと認めた形となりました。
先進国に新興国を加えたG20は、19日、日本時間の20日未明に閉幕し、共同声明を発表しました。
声明では、まず世界経済の現状について「金融市場は改善が続いているものの、成長はあまりに弱い」などとしています。
こうしたなかで、景気の下支えため、先進各国が続ける金融緩和が、輸出に有利になるよう自国の通貨を安く誘導する政策ではないかといった懸念が根強いことを踏まえ、今年2月の前回の声明に盛り込んだ「G20各国は為替レートを競争力を高めるための目標にしない」との文言を改めて明記しました。
また、金融緩和が新興国市場への過剰な資金流入を生み、悪影響を及ぼしかねない可能性に配慮し「金融緩和が長期的に続くことによる意図せざる副作用に留意する」としました。
一方、日銀が決めた大胆な金融緩和が円安への誘導に当たるのではないかという批判的な見方もあるなか、声明では「最近の政策はデフレから脱却し、国内需要を支えるためのものだ」と言及しています。
これは、今の政策が円安への誘導が目的ではないという日本側の説明をG20として認めた形です。
その一方で、声明では「日本は信頼性のある中期的な財政再建計画を策定すべきだ」と指摘し、これまでより強い文言で財政再建の取り組みを促しています。
「国際社会に理解いただけた」
会議のあと、記者会見した麻生副総理兼財務大臣は「声明では、日本の最近の政策措置の目的が確認され、日本の金融緩和が為替操作を意図したものでなく、長年にわたるデフレ不況からの脱却を目的としたものだという、これまで繰り返してきた主張が国際社会からご理解をいただけたものと考えている」と述べ、会議の成果を強調しました。
また、財政再建について麻生副総理は「しっかりとした財政の中期計画を年央をメドに策定することが重要だ」と述べました。
そろって会見した日銀の黒田総裁も「日本の金融緩和に国際的な理解を得られたことで、一層自信を持って、適切に政策を運営していける」と述べ、声明を高く評価しました。
また、先進国の金融緩和が新興国市場への過剰な資金流入を生み、悪影響を及ぼしかねないという懸念があることについて、黒田総裁は「会議での議論は日本の今回の金融緩和を念頭にしたものではなく、主要な先進国がそろって大幅な金融緩和を続けているなかで、長期的に何らかの副作用が出てこないだろうかという議論だった。将来、先進国の経済が回復し、金融緩和策からの出口を模索する際の影響を取り上げる参加者もいた」と述べました。
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