日本はなぜ、IT業界の有能な人材をこれほど無駄にしているのだろうか。長年の謎は、第4世代(4G)の通信網を持ち、モバイルソーシャルネットワーキングの草分けでもある日本で、IT系の新興企業にソフトウエアエンジニア不足が生じていることだ。
- Bloomberg News
- 楽天の三木谷浩史会長兼社長(左)とスクエアのジャック・ドーシー氏
インターネット界の富豪である三木谷浩史氏率いる新ロビー団体「新経済連盟」は16日、東京で「新経済サミット」というフォーラムを開催したが、これに参加したシリコンバレーの著名人はその人材不足の理由として、規制が多過ぎること、謙虚過ぎること、そして慎重過ぎる母親の存在などを挙げた。
三木谷氏は日本最大のインターネット小売企業、楽天の会長兼社長であり、安倍晋三首相率いる産業競争力会議の中心的なメンバーだ。安倍首相は、厳しく統制された日本経済の規制緩和を約束し、同フォーラムに楽観的なムードをもたらした。
同フォーラムで日本のオールドガード(守旧派)に起業家的破壊力を見せつけようとした基調講演者は、インターネット検索大手グーグルのアンディ・ルービン上級副社長や、簡易ブログのツイッターやモバイル決済サービスのスクエアを創業したジャック・ドーシー氏などだ。
同フォーラムでは、日本でIT系新興企業のために果敢に働こうとするソフトウエアエンジニアの数が驚くほど少ない理由として、以下のことが挙げられた。
1. 新規参入に対する規制のハードル
三木谷氏は、日本はいまだに既得権益を守る不合理な規制にとらわれ過ぎていると主張し、それが現状への満足感を高めさせ、創造力を失わせていると指摘した。同氏は大衆薬のインターネット販売規制の撤廃や、ネットを通じた学習環境の提供などを目指している。同氏は「時代遅れの規制は新しいアイデアをつぶし、イノベーターになりたい人を諦めさせてしまう」と述べ、「もし(NTTドコモのデータサービスの)iモードが日本の市場に制約されていなかったら、今頃は世界のスマートフォン(多機能携帯電話)市場を席巻していただろう」と話した。
2. 教育の対象の狭さ
パネリストらは、学生はクリティカルシンキング(批判的思考)のスキルを磨くためにもっと読書をする必要があるほか、グローバル市場を理解し、新興企業の潜在力を信じられるようになるために、海外に出て外国語を学ぶ必要があると指摘した。携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を開発したグーグルのルービン氏は「日本の大学教育は1つの話題に集中して行われることが多いが、世界はジェネラリストを必要としているとわたしは思う」と述べた。
3. 失敗への恐れ
宿泊先検索サイト、エアビーアンドビー(AirB&B)のブライアン・チェスキーCEOや、ユーザーとタクシーを結ぶサービスを提供するUber Technologiesのトラビス・カラニックCEOといった米国のパネリストは、失敗から得られる経験の重要性を説いた。彼らは、投資家が起業家の過去の失敗をいかに高く評価しているか、そして投資家がそれを後に始める事業に投資する機会を拒否するのではなく、受け入れるきっかけとして見ているかについて語った。これは日本の起業家が「銀行が怒っている、説教する」などとこぼすのと対照的だという。ベンチャー投資会社DCMのジェネラルパートナー、茶尾克仁氏は通信ベンチャーの日本通信を立ち上げた経験を振り返り、日本では1回の失敗が2回目のチャンスがないことを意味すると知っていたし、自分はそうではないベンチャー資本家になりたいと思ったと語った。
4. 謙虚さ
有能な日本のエンジニアは、起業に対する素晴らしいアイデアをたくさん持っているが、その後直面する事態を予測して尻込みしてしまう。新興企業を支援する500 Startupsのパートナーを務めるジョージ・ケラマン氏によると、会社を立ち上げることをちょっと提案してみると、だいたいとてもではないが、自分にはそんなことはできないという反応が返ってくるという。
5. IT新興企業への就職を思いとどまらせる母親たち
日本のパネリストたちは、日本で「安全第一」の文化が形作られる一因として、母親たちが新興企業の提供する機会を理解していないことと、日本の教育制度が日経平均株価を構成する優良企業への就職を奨励し、起業家精神を脇に追いやっていることを挙げた。プログラム言語Rubyを開発したまつもとゆきひろ氏は、信じられないことに、あまりにも多くの有能なエンジニアが大手企業に就職して退屈な仕事を選んでいると指摘する。しかも給料が多いわけでもないのにだ。
記者: Mayumi Negishi、Yuko Takeo
原文(英語):Moms, Modesty Also Holding Back Japan’s Software Engineers
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/04/17/moms-modesty-also-holding-back-japans-software-engineers/
企業にルールがある事を意外と知らずにITが手軽とされていることは要因です。
自分に利益で収入が一般的で、上司が居ないと思われています。
自分が有益に稼働させる為には趣味とは少し違う見方でなければいけないとメディアでは、これが当たり前の捉え方です。
>楽天のGUIは規制のせいであんなにひどいの?
>なんで技術のない会社がエンジニアの事を語ってるの?
無知なくせにえらそうなこと言ってんじゃねえよwww
楽天市場じゃなく、出店しているサイトオーナーの問題だろ
若い人の提案を、年長の上司たちは聞いてくれなかった…、と日本に住む外国からのエンジニアは言っていた。
その後、その時提案したことと同じことが、アメリカ発で世界に広がった。
どんなに説明しても、考え方が古くて硬い上司には、理解できないようです。
時代はどんどん進んでいるのに。
確かに 母親とゆう 既得権益の 塊の 存在 大きいかも 知れない。
・給料が安い。(日本人技術者を安く派遣的に仕事させている。犬死にするのは御免です。)
・無能な上司が多いので、優秀なエンジニアは会社を見切る。転職はいくらでも可能。
・20人分30人分の稼ぎを出しても、エンジニアに見返りが全くない。(当然休みもない。)
・優秀であればあるほど仕事が振られる。過労死は御免です。(キャリアアップもできない。単なる使い捨て)
・会社が正しい評価をしない。というか。。ほとんどの会社の人事が機能不全を起こしています。
・エンジニアにしがみつく理由は無い。
・三木谷社長の論法は幼稚過ぎてついて行けません。自分でSEすれば??どれだけ大変か判っていない。