兵庫県の井戸敏三知事が20日、同県洲本市に新設した県立淡路医療センターの完工式であいさつし、淡路島で最大震度6弱を観測した13日の地震に触れ、「ちゃんと(センターの)免震装置が機能した。性能検査をしてくれた」と語った。
同センターは鉄筋コンクリート造りの8階建てで、救命救急センターやヘリポートなどを備える。淡路島の災害拠点病院として、県が総事業費約173億円をかけて建設した。地震の揺れを吸収する免震構造で、今回の地震による損傷はなかったという。
この日の完工式には、地元関係者ら約100人が出席した。今回の発言について、井戸知事は「この建物の性能が機能することが分かったということを言っただけです」と、県を通じてコメントした。
井戸知事は2008年に近畿ブロック知事会議で、関西経済の活性化を論じる中で「関東大震災はチャンス」と述べ、批判を浴びている。
今回の地震で、兵庫県内では24人が重軽傷を負い、4千棟を超える建物被害が確認されている。自宅の屋根が壊れた洲本市炬口(たけのくち)地区の女性(73)は「前も失言で批判されたのに、また言ったのか。公の場で言うことではない」とあきれ顔で話していた。
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朝日新聞社会部