もんもん文句大臣

2013-04-14

ボナリー

会社のオジサンとオリンピックは白人様のお祭りだから、白人様が金メダルを取れない競技は排除されちゃうよねーという話をしていて、ボナリーのことを思い出してしまった。そしたらマツコ有吉の怒り新党でボナリーが特集されていて、見ていて滂沱の涙を流してしまった。なんでー!?あーびっくりした。ドライアイなのに、こんなに涙が出るなんて!ぼたぼたと机に垂れる涙。この涙は、一体、何に対して??

ボナリーというのは1990年代大人気だった女子フィギュアスケーターで、黒人の女の子である。国籍フランスだが、フランス人の養女になったからで、本当に真っ黒なアフリカ系の黒人のかわいい女の子であった。素晴らしくダイナミックなジャンプを跳ぶことで有名で、当時人気はすごくあったし、わたしも大好きなフィギュアスケーターだった。でも、だいたいいつも点は伸び悩んでいて、それはおそらく黒人だからだろうなーと誰もが思うのだが、まあおそらくそんなところだったと思う。そして、ダイナミックな演技をする人が言われやすい「表現力に劣る」とか、「芸術点が低い」という批判も、彼女に対する評価として付きまとう。それは彼女のことを何とか悪く言うための詭弁とも思えるが、確かにそうだなと思わせる大胆すぎるその演技は、おおざっぱと見えてしまうところがないとは言えない。だが、もしもあのダイナミックな男らしいジャンプを白人のお嬢さんがやったとしたら、そんなに点数を下げたかな?という疑問もあるので、モヤモヤは永遠に消えない。

ボナリーはフランス国内では当時敵なし状態の女王だったが、世界大会での点数はいつもあともうちょっとというところで伸び悩み、助走なしでダブルアクセルをがっちり決めたり、5種類のジャンプが飛べるなど素晴らしい力を持っていながら、思うよりは若干低い評価なことが多かった。世界選手権で佐藤選手に惜しくも負けたときには抗議の意を込めて表彰台に上がらず、もらった銀メダルもはずして悔し涙を流していた。それを怒り新党で見ながらわたしはアホほど泣いてしまったのだが、気持ちはわかるがボナリーのあの行為は間違っていると思う。

あたしが黒人だから点数を低くしたんだなと思うのは簡単だけど、そういう風に自分で思ってしまったらおしまいなのである。悔し涙は自分に自分が腹立たしくて泣くのであればいいのだが、人のせいにするようじゃあそこでゲームセットだ。

気持ちはわかる。白人様から馬鹿にされているのはわたしのような黄色いサルも同じ。でも、それを自分で言っちゃおしまいなのである。圧倒的に、ジャンプもすごいが表現力もすごい選手になれば、たとえどんなに白人様が地団太を踏んでも、悔しさに歯噛みして歯がすり減ってでも、いやいやでも金メダルをくれるようになるのである。それが勝利である。白人様が100の努力で金メダルを取れるのだとすると、10000の努力が必要かもしれない。でも、浅田真央キム・ヨナはそうしたのである。白人様が登場しても上位を黄色いサルが独占してやったのである。誰が見てもしょうがないあれは金メダルクラスだと思わせる演技を見せて白人様を叩きのめしたのである。そもそもあのボナリーのジャンプのすごさは、やはり彼女が黒人だからできたことと言えるだろう。筋肉の付き方が違うのである。あの筋力はご先祖様からの贈り物だ。伊藤みどりのみじかーい、ふとーい脚を見ろ。あれが日本人の限界なのだよ。だから彼女は黒人であるがゆえに迫害を受けたかもしれないが、黒人だからこそあんなに素晴らしいジャンプを跳べる脚を授かったのである。そう考えれば、黒人であることはすべてディスアドバンテージばかりではない。

悔しかっただろう、残念だっただろう、でも、それを言い出すときりがない。でもわたしがボナリーを見て泣いたのは、そんな彼女を見ながら自分のダメな感じをはっきりと確信したからである。わたしはしょっちゅう言っている。白人の男に生まれなかったらその時点で負債が3000億円とか、男はいいよねーみたいなことばっかり言っているからである。人のことを批判するのは簡単だが、自分の身に置き換えて自覚すること、自覚をもとに行動することの難しさ、そしていくつになっても、ええ歳のオバハンになってもダメな自分に気づいて、わたしはおそらく滂沱の涙を流したのだと思う。

いいな、親が○○だったらそりゃXXXXだもんなーなんて、そんなことばかり思っている。ボナリーも体操選手だった養母の影響もあるし、運よくフランス人夫婦の養女になれたというラッキーな点もある。浅田真央だって裕福な家に生まれ、かわいらしいゆで卵のようなつるりとした顔にほっそりとしたきれいな体を偶然持って生まれた、あの人もこの人も、いいよな、恵まれてるじゃん、わたしより。そんな妬み僻み嫉み恨みつらみが自分にあるとは思ってもみなかったが、あった、あった。ここにあった。結局わたしはボナリーに説教できる立場ではないようだ。

オレがアルゼンチン人として生まれていたらなーと香川は思っただろうか?オレがアメリカWASPだったらもっとハリウッドで主役を張れたと渡辺謙は思っただろうか?わたしが金髪美人で英語がネイティブだったらと松田聖子は思っただろうか?

全く思うことなく人生を過ごす人はいないだろう。だけど、それを言っちゃあおしまいなのである。どんなに悔しくても、どんなに納得いかなくても、涙を流しながらでも最後まで優雅にふるまってほしかった。ボナリーは、はっきり言って、素晴らしいフィギュアスケーターである。バク宙もめっちゃかっこいいし、黒い肌が氷に映えて、ゴムまりのように弾む素敵な女の子である(あ、もう、今は女の子って年齢じゃないか)。今でもプロのスケーターをされているということは、やっぱり人を惹きつける魅力的なスケーターだからであって、メダルの色は関係ない。もしかしたら、メダルの色が違うからギャラに差がついて悔しい思いをしたこともあったかもしれないが、ただの金メダリストならすぐいなくなる。長くショーをこなせる人気は、メダルの色では決まらない。そして、頑張らないといけないのはわたしの方ですがな。泣いている場合か!わしはアホか!

そんなわけで、泣きながら、ボナリーを思いながら自分を見つめなおして情けなくて死にたくなる、そんな4月。

海外に伝えて海外に伝えて 2013/04/21 02:09 もんもん文句大臣 様
初めまして。 (*^_^*)
どうぞ「踏み絵」を踏んでからお話し下さい。↓

海外に伝えて下さい
子供たちに虚偽 (きょぎ) を広めないよう
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虚偽に 「虚偽だ」「ねつ造を止めよう」 と言えない人は、
公開での言動を、ご遠慮下さい。(^_^)/ 

理由: 虚偽・ねつ造を助長しているので。
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