上伊那郡と長野市で70代と80代の女性2人が特殊詐欺の被害に遭い、計2800万円余りをだまし取られたことが19日、分かった。駒ケ根、長野中央両署が詐欺の疑いで調べている。
駒ケ根署によると、上伊那郡の70代女性宅に3月下旬、「ヒガシノ」と名乗る男から「第三者があなた名義で株などを購入した。1千万円が振り込まれる」と電話があった。振り込みを断ると「600万円支払えばキャンセルできる。お金は手続きが完了次第返す」と言われ、翌日、自宅を訪れた男に約600万円を渡し、その後にも1回、同様に約300万円を渡した。
さらに、「ヒガシノ」から電話で「(自分の)会社の口座が金融庁に凍結された」と言われ、同庁の許可を得るため―と求められて自宅で2回、約300万円ずつ渡し、今月上旬には指定口座に約300万円を振り込んだ。自宅を訪れたのは毎回、違う男だったという。
一方、長野中央署によると、長野市の一人暮らしの80代女性宅には今月8日以降、女性の個人情報が流出している、女性名義で放射能を除去する機械が購入された、名義貸しは犯罪だ、などと脅す電話が相次ぎ、女性はこれらの処理に必要だと求められて県外の住所に宅配便で現金1千万円を送り、だまし取られた。
数日後にも現金を求める電話があり、不審に思って警察に相談した。電話の男らは「キムラ」「タカダ」「ヤマグチ」などと名乗ったという。