甘利明経済財政・再生相は20日午後、日本の環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）交渉参加に同意していないカナダの協議について「ほぼ合意は得られた。最終的な手続きに入っている」と述べた。今夕にインドネシアのスラバヤで開催されるＴＰＰ交渉参加11カ国の閣僚会合を踏まえ、「日本の参加がはっきりする」と明言した。都内で記者団の質問に答えた。

　現地で各国と最終的な詰めの協議にあたっている茂木敏充経済産業相から「障害になるものはほぼ取り除かれた」と報告を受けたことも明らかにした。米政府には早期に米議会に日本の交渉参加を通知するよう求めた。

　経財相は19日にＴＰＰ交渉参加11カ国が閣僚会合を開いたスラバヤを訪問。会合に先立ち、オーストラリア、ニュージーランド（ＮＺ）、カナダなどの閣僚と相次いで会談し、日本の参加に支持を要請。すでに了承している米国やメキシコなど７カ国に加え、豪州、ＮＺ、ペルーの支持を取り付けたが、残るカナダとの話し合いは決着していなかった。

　日本がＴＰＰ交渉に加わるには全11カ国の同意が要るが、18日時点で豪州、ＮＺ、カナダ、ペルーの４カ国からは得ていなかった。カナダが正式に同意すれば米政府は米議会に日本の交渉参加を伝える。米国は新たな国と通商交渉に入るには米議会に90日前までに伝えるルールがあるため、日本が参加するのは早くて７月下旬になる。