セルビア:コソボ独立「追認」…EU加盟へ関係改善

毎日新聞 2013年04月20日 13時16分

 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)の仲介で関係正常化に向けた首脳同士の直接交渉を昨年10月から行っていたセルビアとコソボは19日、「EU加盟への道をお互いに阻止しない」ことを含む15条項で合意した。セルビアはコソボを国家として承認していないが、コソボが一方的に独立を宣言している現状を事実上、追認する。ただ、正常化の最大の障害であるコソボ北部の少数派セルビア人地域の扱いはあいまいなままで、合意の実行には困難が伴う。

 セルビア側は国内の協議を経て22日に正式に態度表明する。セルビアは昨年、EU加盟候補国になっており、今回の合意により、6月のEU首脳会議で加盟交渉開始を認められる見通し。

 セルビアの自治州だったコソボは内戦や99年の北大西洋条約機構(NATO)によるコソボ空爆などを経て、08年に一方的に独立を宣言した。96カ国が承認したがセルビアは国家と認めていない。

 報道やEU当局によると、合意はコソボとセルビアが、EU加盟を目指す双方の政策を容認する。コソボ政府は19日、「独立が承認された」と強調した。

 コソボ北部のセルビアに隣接する地域には約5万人のセルビア人が集住する。現在、セルビア政府により、自治機関や学校、病院などが運営されており、関係正常化の最大の障害になっていた。

 合意はセルビア人地域がコソボ政府の統治下に入ることを認める代わりに、医療、教育、司法、警察分野でセルビア人による自治を尊重。セルビア政府は、コソボ北部が独自の政府や議会を持つ共同体になると説明しているが、EU当局者は「自治権獲得ではない」とし、扱いはあいまいだ。

 EU内では5カ国がコソボを承認していないが、EUは全加盟国が承認したうえで双方をEUに加盟させることを最終目標にしている。EUは今回の合意を「加盟への一歩」(アシュトン外務・安全保障政策上級代表=外相)と位置づけている。

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