- どうして神戸ビーフはこんなに高価なのですか?
- 神戸ビーフに認定されるための条件として、枝肉重量が470kg以下であること、とありますが、枝肉とは何のこと?また大きくなりすぎるとよくないのはなぜですか?
- なぜ海外で知名度が高いのですか?
- なぜ繁殖農家と肥育農家が違うのですか?
- 肉質の評価はどうやって決まるのですか?
- 神戸ビーフとして認定される牛は、だいたいどれぐらいの期間をかけて肥育しているのですか?
- 「サシ」と「霜降り」では意味が違うのですか?
- 神戸ビーフは「黒毛和種」である但馬牛から生まれるそうですが、そもそも「和牛」と「国産牛」の違いって何ですか?
- オスもメスもどちらも神戸ビーフになれるのですか?
- 神戸ビーフは海外に輸出していますか?
- 神戸ビーフ認定の基準は日本一厳しいと聞きましたが、それは本当ですか?
- 年間どれぐらいの頭数が市場に出荷されるのですか?
- 但馬牛血統証明システムでは、どんなことが分かるのですか?
- 神戸ビーフとなる牛は、音楽を聞かせたり、ビールを飲ませたり、マッサージをするなど、特殊な育て方をされているという噂は本当ですか?
- 神戸ビーフとなる牛はどんな餌を食べているのですか?
神戸ビーフは但馬牛の中で認定されたものをいいますが、そのもと牛である但馬牛は江戸時代より現在までその純血を守り続けています。その血統を守ることがおいしさを守ることであり、生産費も高くなっています。また、世界の舌を魅了するというほどのおいしさはもちろんですが、日本の牛肉の消費流通量のわずか0.06%程度しかないという稀少さも高価なものになる要因だと思います。
枝肉とは皮、頭、内臓等を除いた状態のことをいい、通常、枝肉でセリ等によって売買取引されます。但馬牛はもともと枝肉重量の平均が400kg程度と全国平均から見れば50kgほど小さく、大きくなりすぎると但馬牛らしいキメの細かい肉質が損なわれると言われています。
繁殖農家というのは母牛を飼育し子牛を産ませる農家のことで、肥育農家というのはその子牛を肉用牛として増体と肉質の高まるような管理を行う農家のことです。それぞれに専門性があるのですが、もちろん両方を兼ねた一貫農家もおります。
繁殖農家で概ね8ヶ月〜9ヶ月ぐらいで子牛市場へ出荷し、肥育農家が概ね2年間ぐらい肥育しますので、生後30ヶ月〜32ヶ月ぐらいで枝肉市場に上場されます。特に但馬牛は一般の黒毛和牛より2〜4ヶ月長く飼育しています。
「サシ」というのは、鮮紅色の筋繊維の中に入っている脂肪分のことで粗いサシや細かいサシがあります。「霜降り」というのは、その細かいサシが多く入った状態のことを言います。「但馬牛」は、特性として筋繊維が細かいので細かいサシが入るのが特長です。
「和牛」とは、品種のことで「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」のことをいい、但馬牛・神戸ビーフは黒毛和種に分類されます。「国産牛」とは、日本国内で飼育された牛のことをいいます。したがって、どこで生まれた牛でどんな品種の牛でも日本で飼育されている期間が最も長ければ「国産牛」と表示されます。
兵庫県内の但馬牛の血統のみの交配を続け兵庫県内の指定生産者が繁殖・肥育し兵庫県内の指定食肉センターで処理することが前提となっており、さらにBMSや重量制限等の基準もクリアしなければならないので、日本一厳しい認定基準と言われています。
お肉屋さんやレストランに掲示してある牛個体識別情報で、その牛の血統情報やいつどこで生まれてどこで育ったのか?どこの市場で販売されたのか?但馬牛・神戸ビーフの認定がされたのか?といった情報が閲覧できます。
但馬牛証明システムのご利用はこちら
少頭数の牛を育てている肥育農家の中には、それに近いことを実行されている方もおられるかもしれませんが、このような特殊な育て方が、すべての神戸ビーフのスタンダードというわけではありません。たとえば、エサの時間に音楽をかけることを習慣化すれば、条件反射で音楽を聞くだけでエサの時間だとわかり、食欲の増進につながるといわれていますが、音楽が肉質向上に及ぼす影響は実証されていません。ビールもまた牛の食欲増進に役立つという説もありますが、ビールを飲ませて育てるケースはほとんどないといえるでしょう。マッサージについては、スキンシップによって牛のストレス軽減に役立ち、間接的に肉質向上につながると考えられますが、マッサージそのものが肉質を柔らかくしたり、サシを増やしたりするわけではありません。