2013/04/20


某誌の取材を受けてきました。テーマは「アベノミクスについて思うこと」。ぼく以外にも話題のあの人が出ていたり、かなりエッジの立った特集になる予感です。ぼくの発言が採用されるかは分からないのですが…笑


格差が広がる

アベノミクスなるものによって景気が良くなれば、当然お金を稼ぐことに成功する人の数も増えます。ぼくの知人でも、今回の株高でけっこうな利益を出した人がいたりします。

お金を稼ぐことに成功した人が増えれば、納税額も増えるので、世の中はそれだけ豊かになります。今救われていない人も、この景気によって救われる可能性があります。これは純粋にすばらしいことです。

が、見方を変えれば、お金を儲けることに成功した人と、そうでなかった人の間に、格差が発生するということでもあります。たとえば、株高で儲かったぼくの友人」と、「株をやっていないぼく」の間では、実際に金銭的な格差が発生しています。

景気が改善するのはすばらしいことですが、誰もが平等に「底上げ」されるわけではありません。少なくとも短期的には、強者が頭ひとつ飛び抜けることで、格差が広がることを忘れてはいけないでしょう。


強者の攻撃性が高まる

「アベノミクスへの懸念」という話ですが、今回の景気によって「成功者」となった人たちが、過度に弱者を攻撃するようになるのではないか、という点が気になっています。

つまり、アベノミクスで儲かった人は「わたしは自分の力によって、成功を手にした。今回の景気の波に乗れなかったヤツはバカだ、自己責任だ、救う必要などない」と語りかねない、ということです。

言い換えれば、自分が「たまたま」成功したのを良いことに、成功者たちが社会的弱者に対して「自己責任」をなすりつけるようになる、それが危険だと思うのです。


景気による金銭的成功なんてものは、そもそも外部環境の影響を受けているだけなので、極論すれば「たまたま」成功したにすぎません。株高なんてまさにそうですが、宝くじに当たったようなものでしょう。一切運の要素はなく、「100%」実力で勝ち取ったと思い込むのは、傲慢もいいところです。

かくいうぼくも、今回の景気のプラス影響を受けることになりそうですが(特に広告販売)、それは自分の努力ではなく、完全に「運がよかっただけ」だと思っています。実際そうですし。


成功者が「自分はたまたま運が良かっただけだ」と考えるようになれば、社会的弱者に対する見方も変わります。

「お前らがうまくいかないのは、努力不足だ、自己責任だ」攻撃することはなくなるでしょうし、人徳のある方は「わたしは運が良かっただけだ。この運によって得られた恩恵は、社会に還元しよう」と考えるようになるでしょう。

今回の景気の波が大きければ大きいほど、成功者にはこうした態度が求められるでしょう。でなければ、うぬぼれた成功者たちが、弱者をよってたかって「努力不足だ」「自己責任だ」と攻撃する、魔女狩り的な社会になってしまいます。


ダメな人は失敗を「自分のせい」にする」でも書きましたが、人生にもたらされた失敗も成功も、すべて自分が原因にあると考えるのは、鈍感で傲慢な態度です。

今回の景気の波によって、強者たちの攻撃性が高まらないか、それが懸念です。解決にあたっては、メディアの努力は重要になるでしょう。ihayato.書店も零細メディアなりに、良いと信じる方向へ変化させるよう頑張りたいと思います。



★この記事を読んだ人にはこの本がおすすめ。

こういう時だからこそ、貧困問題について学ぶべきです。帯にある通り、「貧困問題の新しい入門書」といえる名著です。


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