勇太奪首　松山どやっ！

　▽１９日、三重県、東建多度ＣＣ・名古屋（７０８１ヤード、パー７１）▽晴れ、気温１５度、風速７・３メートル▽賞金総額１億３０００万円、優勝２６００万円▽１３１選手▽観衆３６６７人

　前日４位タイの池田勇太（２７）＝日清食品＝が強い風が吹く難しいコンディションの中、３バーディー、３ボギー、この日のベストスコアタイ、７１をマークし通算４アンダーで単独首位に立った。同じ順位から同組で回ったツアールーキー、松山英樹（２１）＝東北福祉大＝は、バーディーなしの４ボギー、７５とスコアを落とし通算イーブンパーの１０位に後退した。

　１６、１７番で連続バーディーを奪い、迎えた最終１８番。池田のバーディートライは２メートル。わずかにカップの脇を通過してパーとなったが、表情は明るかった。

　「今日のイーブンパーはアンダーパーに等しいと思う。みんなが終わってどれくらいがパープレーかが逆に楽しみ。バーディーが２つ重なったのがよかった」。この日は池田ら３人が出した７１がベスト。平均ストロークは７６・３５７、池田は思惑通り大きくスコアを”伸ばし”て、この日７５をたたいた後輩・松山に力を見せつけた。

　選手会長に就任。「プレーヤー池田勇太が活躍しないと、選手会長・池田が光らない」と公言して臨んだ今大会、今年で６回目の出場となるが、この日初の首位を奪った。実はきちょうめんな性格で、初日からプレー中も選手会長の顔をのぞかせている。「ギャラリーの方のケガが多い。昨日は骨折者。今日は足をひねる人がいて。そういうのを見ると、大丈夫かと心配になる」。この日は１６番で女性が足をひねったのを見て、ギャラリー整理員に「早くカートを呼んで」と指示をした。プレー中にもかかわらず周囲へ配慮。プレーヤーとして、選手会長としてツアーを引っ張る姿勢を見せている。

　「明日は（この日と）同じコンディションにならないことを祈るね。明日は楽にゴルフをさせろよ！という感じ」と池田。残り２日間、開幕Ｖに向かってひた走る。　（櫛谷和夫）