本日の記事はStarWars.comより。
スター・ウォーズ クラシック・トリロジー(旧3部作)における、アメリカのコミックと日本のマンガを比較した記事を翻訳してご紹介させてもらいます。

3年以上前に載せられたエントリーでして、いつか機会がありましたら私のサイトでもご紹介しようかなあ~と思っていたのですが、そのまま放置。
最近、
豪華なブルーレイBOXが発売され、私の「STAR WARS熱」が再燃しているこの機会に、せっかくですので取り上げてみることにしました。

ということで、記事を作成するため、久々に「StarWars.com」へ訪れたのですが、どうやら最近のリニューアルに従い、消失しているみたいですね
ですので、以下でのリンク先はWebキャッシュページとなっております。その点をご了承ください。




チェックリスト:スター・ウォーズの日本化 -- 漫画の方が上手い


StarWars.com


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はじめに


By Pablo Hidalgo


マンガ VS. マーベル -- マーベルコミックスが元々手がけた旧3部作のコミックの出来を、日本人作家によるそれと比べて評価することは実に不公平な比較である。この作品に有利なのは間違いなくマンガだ。マーベルのコミックは、どれも映画が編集段階の頃に作られたものであり、作者は映画を見ていないのである。脚本と、いくつかのキービジュアル、そして多分いくつかのコンセプトアートだけを基に、作者たちは仕事をしていたのだ。また、彼らは1977年~1983年当時におけるニューススタンドコミックスのページ及び印刷の規格に適応させる必要があった。つまり、スター・ウォーズにおける全てのアクションを6冊に詰め込む必要があったということだ(『ジェダイの帰還』においては、たったの4冊)。


日本のマンガは、物語の"より計画的で、変化に富んだ"ペースに対応するため、形式やページ数に関してとても柔軟である。日本のマンガ版は1997年にようやく出版されているので、作家は長年のスター・ウォーズ研究による恩恵を受けている。



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このリストは優劣をハッキリさせるのが目的では全くない。同じ題材を、コミック/マンガという形で、異なる文化がどのようにアプローチしているのかを比べているのだ。以下でご紹介するのは、スター・ウォーズにおける重要なシーン、上が1997年にメディアワークスから発売された日本のマンガ、下がマーベルの作家や作者による元々の解釈である。


ここでご紹介するマンガのページは、アクションが右から左へと展開する日本のオリジナル版であることに注意して欲しい。ダークホースコミックスがマンガ版を英語に翻訳した時、左から右へと読めるように、やむを得ず絵を反転させる必要があったのだ。




エピソードⅣ:カンティーナの住人たち


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ヒサオタマキによるエピソードⅣのマンガ化から始めよう、マンガ版は環境をより詳しく調べられたカンティーナからの恩恵を間違いなく受けている。ページ全体を使い、ルークと読者に酒場の暗い一角を探索させることで、作者はさらに多くの馴染みの顔を登場させている。悪魔のような顔のラブリアがそこにはいる。バンドメンバーも同じ、もみあげが特徴の命知らずのロカビリー宇宙野郎であるボシェック、高慢ちきな顔で喫煙者のダニク・ジェリコ、そしてとても魅力的に描かれているトニカ姉妹。


反対に、マーベル版ではカンティーナの紹介を1つのコマに凝縮させる必要があった。この絵やコミックで描かれている他の背景部分を見る限り、作者のHoward Chaykinはイギリスの撮影現場に集められた登場エイリアンのスチール写真だけしか与えられなかったようである。ピックアップ写真でのエイリアンたちを見ていないのだ。ハンマーヘッド、マックス・レボ・バンド、そして悪魔顔が見当たらないのはそのためである。




エピソードⅣ:殴られる帝国軍将校


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チューバッカのパンチにより天井に吹き飛ばされるガントリー将校をダイナミックなパネルレイアウトで描いている。そして、アクションシーンがページ全体で展開されており、2人目の将校を(ヘッドショットで)撃ち抜くハンのためにコマが与えられている。


オリジナルであるマーベルには、もっと怖い見た目のチューバッカが登場する。まだ誰もチューイを見たことがない時期にこのコミックは作られていることを忘れないで欲しい、彼が抱き締めたくなるような人気キャラクターになると一体誰が予想していただろうか?もちろん日本版は、どう猛なクリーチャーを可愛くするコツを心得ている。それと、1つのコマに全てのアクションを凝縮していることが、Chaykinに奇妙な構図を強いていることに注意して欲しい。おかげで、ハンの銃の斜線上をチューバッカが危なっかしく横切ることになっている。




エピソードⅣ:船への帰還


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日本版における、デス・スター所属のストームトルーパーたちとハンによる一悶着は、このシーンの喜劇的な部分をとても重視している。誇張されたお馬鹿な試みとチューバッカの冷や汗、カーブしている廊下を突進するハンの絶叫、ハンのふざけた行動に瞼を半分閉じて退屈に思うルーク、そして1つのコマに17名ものストームトルーパーたちがぎっしり詰まった密集地帯での反撃は、全て笑いが目的である。


アメリカ・マーベル版はもっとストレートだ、そしてアクションがたった6コマに絞られることにより、このシーンで何が起きているのか、ハンのセリフで説明させる必要が生じている。




エピソードⅣ:オビ=ワンの最期


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ドラマチックなシーンを強調するために背景を完全に真っ白にすることは、マンガ版において何度も登場する実に生々しい表現技法である。オビ=ワンがベイダーの剣(ライトセーバー)の犠牲となった瞬間、何が起こったのかに関して疑問がほとんど残らないように、真っ白な背景が展開されている。


アメリカ版ではケノービの最期をたった2コマに収める必要があった。したがって、ベイダーの攻撃を描いた実に印象的なコマに、"今なにが起こったのか"さらなる詳細をRoy Thomasが付け加えることによって、限られたコマを最大限利用しているのだ。




エピソードⅣ:オルデランの破壊


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このシーンは実に素晴らしい。まず、アメリカ版では、オルデランの破壊を1つのコマで描いている。


そして今度はマンガ版。10ページにも渡って引き延ばすことにより、実に素晴らしいオルデランの最期となっている。この5つの見開きページで、私たちはオルデラン地表のグラウンドゼロや、凄まじい光線が天から降り注ぎ呆然とする群衆を確認できる。そして、デス・スターがちっぽけなシルエットとなるほどの巨大な爆発を伴い、この惑星がとうとう消滅してしまう前に、苦悩に満ちた表情を浮かべるレイアを私たちに見せているのだ。



海外記事「スター・ウォーズ日米コミック比較。マンガの方が上手い。」②へ続く



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