昨年7月から12月まで放送され「第12回東京アニメアワード」テレビ作品部門優秀作品賞を受賞するなど各方面で評価の高かったアニメ「ソード・アート・オンライン」。東スポWebでは同作の監督を務めた演出家・伊藤智彦氏にインタビューを行った。作品から始まり、師匠ともいえる細田守氏への思い、さらに7月から放送される荒川弘の人気コミック原作のアニメ「「銀の匙 Silver Spoon」まで。「東スポ寄り」の人間と話す、伊藤氏にたっぷり話してもらった。
(インタビュアー・徳重辰典)
SAOでは自分の掲げた目標は達成できた
――「ソードアート・オンライン」(以下SAO)の「東京アニメアワード」テレビ部門優秀作品賞おめでとうございます
伊藤:ありがとうございます。「サマーウォーズ」などで助監督についていた細田守さん(「おおかみこどもの雨と雪」で監督賞などを受賞)と一緒の場所に立てたのはうれしかったです。
――早速SAOの話からおうかがいしたいんですが、まずどういった経緯でオファーが来たんでしょうか
伊藤:監督デビュー作は「世紀末オカルト学院」(2010年放送)でしたが、あれは紆余曲折あった作品で、ひとまず無事に作品を終わらせたのでアニプレックス上層部にもちょっとだけ評価していただいたようで。現在、取締役の岩上(敦宏)プロデューサーから「そろそろ監督やりませんか」と何本か候補をもらい、その1つがSAOでした。シャフトさんとかだと、準備できるところまでプリプロダクションをやって、作画の期間は直前からよーいどんという形での制作が多いんですけど、今回は前段階の時間をいただけたし、かなり有効に使えたと思います。シナリオ会議は放送の1年2か月から3か月前にはスタートしてました。2クールの作品でしたが、準備期間は十分にもらっていたので、2クール走りきれると思ってました。
――最近のアニメの主流は1クールで「世紀末オカルト学院」も1クールでしたが、2クールの違いはなんですか
伊藤:制作の期間は長いにこしたことないんですけど、長くスタッフを抱える分、お金の問題も出てきたり、スタッフのモチベーションの維持も大変ですよね。監督をする時に心がけているのは、どうしたらスタッフみんなに心地よく楽しく仕事をしてもらえるのか。今回はキャラの線が多いので、単純にアニメーターの方はSAOの仕事だけではお金が稼げないんじゃないかと。だから、とりあえずこれだけ時間はあるから、こっちもやってと仕事をお願いしてました。
――アニメーターの収入も考えて作業を
伊藤:そうしないとわれわれ生きていけないですから(笑)。世の中に超ハイクオリティなテレビアニメシリーズとかありますけど、果たしてそれは誰が幸せになっているんだろうなとか思い浮かぶわけです。もちろん下手なものは出しちゃいけないから各セクションの頑張りになるんですけど。俺ができるのは「ほかの作品よりこっちのを頑張ったほうが見返りがありますよー」とアジることくらい。そのために、俺のところで仕事を止めないように判断を早くして、ほかの人の余裕を作るようにしました。
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