シンガー・ソングライター長渕剛(56)の新曲「未来」(5月22日発売)が、仲間由紀恵(33)主演のNHKドラマ「島の先生」(5月25日スタート、土曜・後9時)の主題歌に起用されることが18日、分かった。離島の教師と生徒たちの触れ合いを描いたストーリーに共感して書き下ろした15年ぶりの連ドラ主題歌。子供の教育に強い関心を持つ長渕は「もっと人を好きになり、未来への希望を届けたい」との思いを込めた。
ゆったりとハーモニカの音色が響くイントロに、どこか懐かしさを感じさせる新曲。東日本大震災から2年、復興支援活動を通じて長渕が感じた「この国には希望が必要だ。もっと人を好きになって、心に突き刺さる音楽を届けたい」という思いを形にした自信作だ。
長渕は11年8月、福島第1原発事故の影響で避難生活を送る子供たちを励まそうとキャンプを企画。故郷・鹿児島の無人島に福島・浪江町の小学生20人を招待した。今年3月、東京・表参道ヒルズで開催した詩画展にも招くなど子供たちとの交流は続いており、「20歳まで毎年、彼らと会う機会を作りたい。それが俺の希望」と話す。
ドラマは鹿児島・奄美群島にある離島の小さな学校が舞台。仲間演じる教師と生徒たちの交流を描く。NHKの屋敷陽太郎チーフプロデューサーは、長渕が子供たちの教育に熱心に取り組む姿勢に感激して「少年時代を思い起こして、あったかい主題歌を作っていただきたい」と制作を依頼した。
脚本を読んだ長渕は「面白い。俺に先生役をやらせてほしいな。大変さもやりがいも分かってるから」とジョークを飛ばすほど、作品にほれ込んで依頼を快諾。以前から「未来」「希望」というキーワードが頭の中にあり、伝えたいメッセージを主題歌に表現した。
アコースティックギターでメロディーを刻む王道の曲調。制作にあたった3か月は苦労の連続だった。「かなり苦しみましたね。最初はバラードだった。レコーディングして、その夜に『違うな。だめだ』と思って、やり直したり。やっぱり遠回りしないと理想に行き着かない」。試行錯誤しただけに思い入れは強いという。
遠く離れた南の島で撮影中の仲間からも「『未来』を描いた歌詞とメロディーは壮大なロケーションを背景にした温かいドラマにピッタリです」と歓迎のコメントが届いた。ドラマの放送開始を心待ちにしている長渕は「我々に感動を与えてほしい。(主題歌が)少しでも、その手助けができれば」と期待を寄せた。
[2013/4/19-06:03 スポーツ報知]