テニス「ＨＰジャパン女子オープン」（１０月、大阪）へ向け、クルム伊達公子（４２＝エステティックＴＢＣ）が４年連続決勝進出を“先行予約”した。

　伊達は５年連続の出場。ダブルスでは一昨年に優勝、昨年も準優勝とゲンがいい。今年はシングルスの優勝を狙い「フィジカル的に年々厳しくなってるけど、その中でどうやったら進化できるかずっと追求し続けてる」と意気込んだ。

　４２歳にして体にムチ打ち、第一線で活躍。その原動力は、女子テニス界に対する危機感がある。女子テニスの代名詞「東レ・パンパシフィック」が３０回目を迎える今年で終了する見込みとなり、テニス界に衝撃が走った。東レは新たに国内の大会にスポンサードする意向を日本テニス協会に伝えているが、先行きは不透明。「ツアーで回っていると、日本の大会がなくなっていくということをよく質問される」（伊達）。来年からは「ＨＰ――」が国内で最大の女子大会になる可能性があり、伊達は「歴史をつくっていく大会になってほしい」と発展を期待する。

　さらにスター性のある若手が育っていないことも伊達の悩みだ。最近は優勝する選手が小柄で、協会幹部によれば「『もっと大きい選手が出てくればねぇ』と伊達も言ってましたよ」。女子テニス界は伊達に安心してもらうためにも、早急な対策が必要だ。