朝食ビジネスが活況を呈するなか、シリアル、ヨーグルト、パンケーキといった朝食の定番が、朝だけに限らずあらゆるシーンで食され、市場を拡大している。一方、外食チェーンは、こぞって朝食マーケットに注力。各社の戦略を取材した。

　朝食の定番・シリアルといえば、以前はコーンフレークが主流だったが最近はグラノーラが台頭。シリアル市場規模は２５０億円で、コーンフレーク系とグラノーラ系がそれぞれ約４割ずつを占めている。

　グラノーラとは、麦や玄米などの穀物にシロップを混ぜてオーブンで焼き、細かく砕いたもの。これにドライフルーツやナッツを加えたフルーツグラノーラは、食物繊維や鉄分などが豊富で、食感がよい。

　２０１２年度のシリアル市場において、すべての月で月間ナンバーワンの売り上げを達成し、前年比１６０％と躍進。まさに独走状態といえるのが、カルビーのフルーツグラノーラ「フルグラ」。

　１９９１年に発売されてから２０年余りを経て、トップに上り詰めたのは“脇役戦略”にあった。カルビーグループのオイシアは「牛乳をかける食べ方が定番でしたが、ヨーグルトに入れたり、パンケーキやオムレツ、プリンに混ぜて調理するなど、新たな食べ方を提案しました」という。
　主食ではなく、あえて他の料理の材料となる脇役に徹することで、朝食以外のランチやオヤツに食べる機会が増え、売り上げが加速。フルグラのレシピ本では、ハンバーグのつなぎとして使うなど、その可能性を広げている。