大阪市は18日、北区中之島に建設予定の新美術館と市立美術館(天王寺区)を統合するか、併存させるかを議論する外部有識者検討会の初会合を開き、有識者6人全員が「統合せず、市立美術館は存続させるべきだ」との見解で一致した。市は今後、統合案と併存案の整備コストなどを比較した上で、5月末までに橋下徹市長に整備案を報告する。
併存させる場合、新美術館は近現代美術、市立美術館は東洋古美術をコンセプトにすみ分ける方向。統合に当初前向きだった橋下市長は同日「(併存が)最善というのが専門家の意見。あとは具体的な報告を見てから決める」と述べた。
検討会では2美術館の統合案に対し、「コレクションの性格が異なるため(コンセプトが)中途半端になる。別々のものを目指した方がいい」との指摘があったほか、「収蔵スペース確保のために新美術館を高層化する必要がある。建設費用がかさみ、コスト削減にならない」などと慎重論が相次いだ。
一方、天王寺の市立美術館については「国立の博物館に匹敵するコレクション」「地域の歴史、伝統が蓄積しており、天王寺・阿倍野エリアに不可欠」と評価する声が多かった。「都市型、公園型の美術館なのにアクセスが悪く、サービス施設も乏しい」と現状の運営への批判はあったが、「大阪の北と南に美術館が2つあるメリットは大きい」として存続、併存を求める意見が大勢を占めた。
橋下市長は会合前に有識者と面談。2美術館を統合して国際的な集客施設にすると主張してきたが、有識者からは「世界の美術館と大阪(の2館)では規模が全く違い、難しい」との指摘を受けたという。
検討会の有識者は、市特別顧問の上山信一・慶応大教授のほか、美術評論家の建畠晢(あきら)・京都市立芸術大学学長ら市特別参与5人の計6人。
新美術館を巡っては、橋下市長が就任直後に建設計画を白紙にし、見直しを指示。2月に建設を再決定したが、市立美術館との統合も含めて基本構想を練り直すことになった。
▼大阪市立美術館 旧財閥の住友家から美術館建設を前提に庭園「慶沢園」とともに寄贈された土地に1936年開館。天王寺公園内に立地し、尾形光琳や葛飾北斎の日本画や中国の彫刻など東洋の古美術を中心に約8千点を収蔵、寺社などから国宝5点を含む約5千点を預かっている。
年間来館者数は約60万人。地上2階、地下2階の重厚な造りが特徴だが、新美術館との統合・併存を巡る議論の中では、老朽化に伴う補修コストも問題視されていた。
橋下徹、美術館、市立美術館、美術館統合、上山信一
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