テロリストはなぜボストン・マラソンを標的にしたのか。1999年の同マラソンで自己最高記録を出して3位になった五輪メダリスト有森裕子さん(46)は、地元ボランティアに支えられている同大会を狙った犯人に「悪質、残念で不本意」と憤りを示した。また関係者の話を総合すると「市民が多く参加することで大量殺傷を狙いやすく、メディアも多く集まるため世界へのアピール度が高い」ことから格好のターゲットにされた可能性があるという。
ボストン・マラソンに詳しい日本のスポーツ関係者は16日、爆弾テロ事件について「爆発の時間帯には意図があるのかもしれない。スタートから3~4時間後ぐらいは、ランナーが続々とゴールして、観客も大勢集まるから」と語った。
爆発があったのは、15日午後2時50分(日本時間16日午前3時50分)ごろ。スタートからの時間を示すゴール地点の電光時計は4時間9分を示していた。優勝を争うレベルの選手はおおむね、女子も含めて2時間半以内にレースを終える。そこから後は市民ランナーらが続々とフィニッシュ。それを応援する家族や友人、ファンもゴール周辺に集まる。人口密度が高まるタイミングで爆発は起こった。
今大会には約2万3000人が参加。爆発の時点で1万7000人以上がゴールしていたが、まだ数千人の市民ランナーが走っていた。冒頭のスポーツ関係者が指摘したように、犯人があえてこのタイミングで爆発させて、一度に多くの犠牲者を出そうとの狙いがアリアリだ。
これがもし自己顕示欲による犯行ならば、トップ選手がゴールするころを狙ってもおかしくない。世界のマラソンでは、エリート選手に“暴漢”が沿道から向かった例もある。有名選手が被害を受ければニュースとしては大きくなりうる。
だが、そうしなかったことからも、犯人はより多くの人を傷つけようとしたと考えられる。やはり米政府が発表した通り、テロリストによる犯行であることは疑う余地はない。
ましてボストン・マラソンのコースは、いわゆる折り返し点のないワンウエー。42・195キロにわたる沿道を完璧にガードすることは難しい。
有森さんは「ボストン・マラソンはアットホームな大会。町が一体となって歴史ある大会を運営していることに、地元の人は誇りを持っている。がっちりした警備が必要な雰囲気の大会でもないそれを、こういう形で狙うのは悪質。残念です」と話す。
今回の爆弾テロによって東京マラソンなどと世界6大マラソン「ワールド・マラソン・メジャーズ」の一角をなすロンドン・マラソンは、21日の開催を控えて警備態勢の見直しに着手した。
日本ではスタートとゴール地点がスタジアムの大会が多いが、海外ではどちらも街中にあることが珍しくなく、多数の一般市民が近づきやすく、警備も簡単ではない。
「マラソンは、以前から狙われていたのではないか」と前出のスポーツ関係者も分析する。
それでも、有森さんは「ニューヨークの(2001・9・11)テロのときと一緒で、これに屈しても仕方ないし、屈してはいけない。海外ではこういう時、屈しないでエネルギーを出すというパターンがあるので、そこは心配していない」とランナーの気持ちに“負の影響”が生じる恐れはないと信じている。
あの「機動戦士ガンダム」が遂にパチンコ台となって登場! 人気ライター・かおりっきぃが、話題のこの台を徹底解剖する。 勝利の栄光をつかみたい君は、必ずチェックしよう!! (C)創通・サンライズ
本紙でもおなじみの競馬評論家の清水成駿や本紙虎石、血統評論家水上学&〝生ける伝説〟安藤勝己元騎手が参戦!「東スポ@競馬 春のGⅠ大討論会 安藤勝己も登場with競馬ラボ」がニコニコ生放送された。春のGⅠ戦線を心から楽しみたい競馬ファンは絶対にチェック。