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Logitechはコアゲーマーをどう捉えているのか? 新製品説明会でPCゲーマー向け周辺機器へ注力する理由が見えた
18日に発表された「Logicool G」シリーズの新製品 |
Ehtisham Rabbani氏(Chief Marketing Officer & GM Gaming, Logitech) |
そこで本稿では,氏の講演から,「Logitechがゲーマー向け製品とその市場をどう捉えているのか」をお伝えしたいと思う。
ロジクール,PCゲーマー向け周辺機器の新ブランド「Logitech G」(Logicool G)発表。第1弾となる13製品を国内展開
コアゲーマーは半年間で,
ゲーマー向け周辺機器に3万円もかける!?
Rabbani氏の講演は,まず世界的なゲーマー向け製品市場の動向説明から始まった。いわく,家電市場は世界的に成長が鈍化しているが,唯一の例外はPCゲーマー向けの周辺機器であり,2桁の成長を続けているのだという。同氏が挙げた数字によると,PCゲーマー向け周辺機器の売り上げは,2010年から2012年にかけて全世界で約24%,日本市場では36%も拡大しているのだという(世界市場は同社による調査,日本市場はGfK Japanによる調査結果)。
Rabbani氏の講演スライドより。PCゲーム周辺機器市場は,日本だけでも2年間で36%拡大しているのだという |
Rabbani氏が挙げた市場拡大の理由。インディーズ開発者の増加とオンライン販売の成長,そしてe-Sportsの隆盛が大きな理由であるという |
1つは,インディーズゲーム開発者の増加。何千ものインディーズゲーム開発者たちによって,多くのゲームが開発されているだけでなく,「Kickstarter」を代表とするクラウドファンディングサービスの台頭により,彼らが資金を調達する手段も多様化していることが,結果としてPCゲームの活性化につながっているというわけだ。
2つめの理由はe-Sportsの隆盛。Rabbani氏はその成長を,「世界で一番早く成長しているスポーツ」と表現し,台北市で開かれた「League of Legends」(以下,LoL)の大会に,5万人もの参加者がつめかけた例を挙げた。
3つめは,手軽なオンライン購入の普及。Valveの「Steam」が約5000万,Electronic Artsの「Origin」は約3000万ものアカウントを擁し,ゲームを手軽に購入できるようになった点と,Free-to-Playのタイトルでゲーム内課金システムが普及しつつあ(り,海賊版の問題に対策できるようになってきてい)る点が,PCゲームを盛んにしているのだとRabbani氏は述べる。
Rabbani氏の講演で興味深かったのは,「『コアゲーマー』と呼ばれる人々をLogitechがどう認識しているか」という話題だ。Rabbani氏が挙げた6つの数字によると,平均的コアゲーマーというのは,全体の78%が男性で,全体の40%が35歳未満。週に平均でゲームを19.9時間以上プレイする。世帯年収――個人ではない――は7万9000ドル(約777万円)と高めで,すでにゲーマー向け周辺機器を3.2個保持しているにもかかわらず,今後半年間の間に290ドル(約2万8500円)を新製品の購入に投資するのだそうだ。
ちなみに現在,女性コアゲーマーの数は大幅に拡大中とのことである。
Logitechが見る「平均的コアゲーマー像」。これだけ金払いのいい消費者は昨今では貴重だろう |
半年で3万円近くを周辺機器に費やすというのは,相当に金払いのいい消費者である。Logitechのような周辺機器メーカーが,PCゲーマー向け周辺機器への取り組みを強めるのも当然といえよう。日本のPCゲーマーから見ると,大規模なe-Sportsイベントなどはピンとこないかもしれないが,世界的にPCゲームに追い風が吹いているというのは確かなようだ。
Logitechでもこうした流れを加速するべく,LoLのデベロッパ兼パブリッシャであるRiot Gamesとの協業し,さらに,PC向けの大作タイトルとも協業を深めていくという。日本を含む各地でLogitech Gのローンチイベントを開催したり(関連記事),ゲームチームのスポンサーになったりという活動なども通じ,さまざまに活動を拡大させていくとのことなので,そちらにも期待したい。
Logitechは,LoLのRiot Gamesなど,世界の主要なゲームパブリッシャやデベロッパとのパートナーシップを広げていくという |
コメディ動画やe-Sportsプレーヤーによる評価で新製品をアピール
古澤明仁氏(ロジクール クラスター マーケティング マネージャー) |
説明会で披露された「G230 Stereo Gaming Headset」のプロモーションビデオ。旧式のヘッドセットを装着して汗まみれのヒゲマッチョを尻目に,イヤーパッドを簡単に取り外して洗えることをアピール |
StanSmith氏(e-Sportsプレーヤー) |
すでに数日間両製品を体験しているというStanSmith氏は,まずG400sについて,「数日で手に馴染み,思い通りにエイムできた。万人向けのマウスだと思う」と評した。形状や表面のコーティング処理により,長時間使っていても疲れにくく,手汗や手垢がつきにくい点が,好評価のポイントであるようだ。
またG710+については,押すと[Windows]キーを無効化する[Game Mode](ゲーム/デスクトップモード切替)キーを備える点に,まず好評価を与えた。さらに,G710+最大の特徴である,ダンパーを装備したメカニカルキースイッチについても,「メカニカルでこれを入れたのは驚き。静音性が高く,跳ね返りが速い」と賞賛。[無変換][変換]キーを小さくして,[Space]キーを大きくとったキー配列についても,「手が小さい人でも押しやすいのではないか」と述べていた。
なお,G400sと,その上位モデルである「G700s Rechargeable Gaming Mouse」「G500s Laser Gaming Mouse」の3製品については,4GamerでもBRZRK氏によるファーストインプレッションを掲載しているので,興味のある人はそちらもチェックしてもらえれば幸いだ。
StanSmith氏によるデモプレイの様子。G400sとG710+のどちらも好評価を与えていた |
古澤氏のプレゼンテーションによれば,Logitech製品は日本市場で販売されるPCゲーマー向け周辺機器販売額ランキングで,ゲーマー向けキーボード分野では2位から5位までを,ゲーマー向けマウス分野では1位から5位までのすべてを制しているそうだ(GfK Japan調べ)。今回の新製品投入によって,同社はゲーマー向け製品市場への攻勢を,さらに強めていくことになるわけだが,それによって,日本でもゲーマー向け周辺機器の選択肢がさらに広がることになるというのは,歓迎すべきことだろう。
日本市場におけるゲーマー向けマウス(左)およびゲーマー向けキーボード(右)の販売金額ランキング(2013年2月期)。ほとんどをLogitech製品が占めている |
Logitech G(Logicool G)日本語公式ページ
ロジクール,PCゲーマー向け周辺機器の新ブランド「Logitech G」(Logicool G)発表。第1弾となる13製品を国内展開
Logitech「G700s」「G500s」「G400s」ファーストインプレッション。ゲーマー向けの新型マウスは従来製品の耐久性向上版か
- 関連タイトル:
Logitech G(Logicool G)
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