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さよなら「はるか」
人気集めた腹びれイルカ死ぬ
太地町


 太地町のくじらの博物館で飼育されていた腹びれを持つ雌のバンドウイルカが4日、午後2時ごろ死んだ。世界的に貴重な存在で、一般公募で「はるか」と名付けられ、人気を集めていた。

 2006年10月28日に太地町の沖合で追い込み網漁で捕獲された。腹部に一対のひれ状の突起がある。クジラ類の先祖が水中生活に入った後、退化して消失した後ろ足が、遺伝子の突然変異で先祖返りしたものとみられ、東京海洋大学や三重大学などがプロジェクトチームを組み、研究していた。体長約3b、体重約200`。

 今年1月からは千葉県の水族館から雄のバンドウイルカを運び、繁殖させる研究を進めており、二世誕生も期待されていた。研究チームのリーダー、東京海洋大学の加藤秀弘教授によると3月20日ごろから餌を食べなくなり、21日には血尿が出たという。千葉県から獣医を招き、懸命に治療したが、熱が下がらなかった。加藤教授は「貴重な存在であり、非常に残念だ」と話していた。死因は研究チームが解剖して詳しく調べる。(須川達也)



死んだ腹びれのあるバンドウイルカ「はるか」
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