アーチ後、ベンチに帰還し、雄叫びを上げたマートン(左)【拡大】
お株を奪う大爆発だ。新4番・マートンが本領発揮だ。ドームの屋根をなぞるように放物線を描き、ユニホームを汚すことなく適時二塁打2本。来日してから初の1試合5打点で東京ドーム無敵を誇った巨人についに土をつけた。
「勝ちたかった。勝ててよかった。巨人に対し、東京ドームで(今季5球団で)初めて勝ったんだよね。(前日前々日と)2敗していたけど、全部勝っていたことは知っていた」
2点リードの三回二死一塁。鳥谷が中前に弾き返して作った勢いに乗った。内角高めにきた沢村のスライダーを一閃し、左翼席中段に着弾させた。今季17試合69打席目での待望の1号で相手右腕をわずか3回50球でKOした。五回一死一塁でも小山から右中間突破の二塁打。締めは六回二死一、二塁で笠原から右翼線を破り、走者一掃。G党は次々と席を立った。
「走者を置いた場面は楽しいし、好きなんだ」
負ければ今季初の3連敗。1、2戦目は投手陣が崩れ、打線も湿った。昨季1勝9敗2分けと苦汁をなめさせられた場所で投打の歯車が狂った。和田監督は不調のコンラッドをスタメンから外した。新井兄弟は午前中に宿舎を飛び出し、神宮室内練習場で特打を敢行。チームにあふれる危機感を十分に感じていた。