JAXA:新型ロケット 発射装置の試験を公開
毎日新聞 2013年04月18日 12時33分(最終更新 04月18日 13時18分)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で18日、新型固体燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げに使う発射装置の旋回試験を報道陣に公開した。JAXAによると、今回の旋回試験で発射台の改修作業をおおむね終了。今後は今夏の打ち上げ本番に向け、スケジュールを調整していく。
イプシロンは、06年9月に廃止された固体燃料ロケット「M5」の後継機。全長はM5よりも約5メートル短い24メートルと小型化し、搭載する機器をロケット自身が点検できる機能を備えた「自律化」が特徴。打ち上げに必要とされる人員や作業、コストを大幅に削減し「宇宙研究への敷居を低くする」のが狙い。今夏の1号機には惑星観測専用の小型衛星を搭載する。
この日は、実物大でロケットと同じ重さ(91トン)のダミーを発射台に設置。整備棟から発射位置まで、発射台部分を移動させて、ストッパー(転倒防止装置)に支えられたロケットのダミーに、どれだけの衝撃が加わるかなどをテストした。
JAXAは今夏の打ち上げに向け、これまで使ってきたM5型ロケット用の発射装置を改修。100トンに対応する天井クレーンを取り付け、機体転倒防止装置を設置するなどイプシロン仕様にした。【津島史人】