MOX燃料:仏で積み出しに抗議
毎日新聞 2013年04月16日 10時36分(最終更新 04月16日 11時19分)
【シェルブール(フランス北西部)宮川裕章】フランスで再処理されたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料が、専用輸送船で福井県高浜町の高浜原発に輸送されるのを前に、積み出し港のある仏北西部シェルブールや、パリのアレバ社前などで、環境保護団体のメンバーなどが抗議活動を行った。MOX燃料は17日未明(日本時間同日午前)ごろから輸送船に積み込まれると予想され、警察当局が警戒態勢を敷いている。
地元メディアなどによると、シェルブールの約40キロ西方にあるアレバ社ラアーグ核燃料再処理工場に保管されたMOX燃料が、17日未明にトラックなどでシェルブール港に運び込まれるとみられている。実力行使による運送妨害を宣言する団体もあり、港周辺では15日、ヘリコプターが旋回し、警察車両が巡回を続けた。
15日夕、港付近には環境保護団体グリーンピースや地元の反原発団体、左派政党のメンバーを中心に約50人が集まり、「ストップMOX」と書かれた看板を海に向け掲げて抗議した。日の丸の鉢巻き姿で参加したプール経営、ギ・バステルさん(60)は、1979年に日本から初めて使用済み核燃料が到着した時にも約1万人規模の抗議デモに参加した。「当時はすごい人数だった。だが原子力産業の恩恵を受けるにつれ、住民の反発は弱まった」と振り返る。それでも「原子力、核の危険に国境はない。原発事故と今も闘う日本人を励ましたい」と話した。
一方、パリ・デファンス地区のアレバ社付近では日本人が抗議のビラを配った。
◇グリーンピース・ジャパンが抗議
MOX燃料の輸送について、グリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は「原発再稼働のめどは立っていない。不要かつ危険な輸送は直ちに中止すべきだ」との声明を出した。