クジラ研究の最前線や、宇宙で刺身を食べるための研究、さらには、調査船に乗っての稚魚採集や、学生が7か月間を過ごすという実習船の内部訪問など、見所満載!BENBUメンバーが体当たりで、海洋研究の面白さを学ぶ。
海洋科学部では、海洋資源を持続的に有効利用するため、海の環境・生物・食品などについて幅広く研究が行われている。海洋工学部では、「海から未来へ」を合言葉に船舶のエンジンシステムやロボットの設計から通信システムの開発、流通の管理まで工学的な観点から海を研究している。
さまざまな角度から海のエキスパートを養成する研究が日々行われているんだ。
BENBUメンバーが生き物の調査を体験したぞ。
Q. | 研究の楽しさはどこにある? |
A. | 毎月海に出ていろんな生物や海の色を見て観測するのが楽しい。 |
Q. | 学生は海好きが多い? |
A. | 大学に入っていろいろな授業や実験をして生物って面白いなと思って研究室に入ったりします。 |
堀本 奈穂 助教(海洋環境学科)
自分がやりたいことを見つける。居心地が良い場所を見つける。情熱をもってそれに取り込むことが大事。そういうものを探せるように頑張ってもらいたい。
また、魚が閉鎖空間でも生きていける生態系循環式システムも開発されている。宇宙で刺身を食べる未来が目の前に来ているぞ!
遠藤 雅人 助教(海洋生物資源学科)
大学というのは、自分たちの夢を叶えにくる場所、サポートする場所なので、それを花開かせて欲しい。
船長を目指すには、三級海技士(航海)の資格を取得しなければならない。そのためには、1年間の乗船履歴が必要なんだ。
Q. | 航海中でも勉強はするの? |
A. | 航海中でも授業があります。 |
Q. | オシャレやメイクはどうしているの? |
A. | オシャレは基本的に船の中ではできないので、作業着の中のシャツや寝巻きを気にする。朝6時半に起きてラジオ体操をするので朝はノーメイク。 |
Q. | なぜ操船の実習を受けようと思ったの? |
A. | 大学3年生のときに1ヶ月船に乗る実習があってそれがおもしろくて船が好きになって興味をもった。 |
Q. | 船に乗ってツライことは? |
A. | 出航1週間目の船酔い。慣れるまではトイレに閉じこもるなど普通にある。 |
Q. | 学生が全部操作するの? |
A. | 航海士が1人いて教えながら船を走らせる。 |
操船技術以外にもロープワークなどの基本的な知識も乗船しながら学んでいくぞ。
Q. | 食品化学の面白さとは? |
A. | 安心・安全なものを根拠を示してつくらなければならないので、自分たちの生活の中で関わっているけど目に見えないところを勉強できるのがすごく楽しい。 |
A. | 海洋大学は変わっていて、海や食品関係の化学をやるのはすごく特殊で面白い。 |
萩原 知明 准教授(食品生産科学科)
海洋大学では普段なかなか体験できないような面白いことができてそれがしっかり世の中の役に立つということができる場所です。
福岡 美香 准教授(食品生産科学科)
興味を持っていろんな目で、どうしてなんだろうと考え、それを解決していくのが学ぶみなさんだと思うので、これからの日本を支えるような人材に成長していってほしい。
東京湾内を行き交う船のプロフィール、運行状況、気象情報などを一括管理し安全でスムーズな航行ができるよう支援できるシステムだ。
Q. | 最終的には先端ナビゲートシステムがどうなることを目指していますか? |
A. | 船長が船にいるのではなく、先端ナビゲートシステムを使い、1人の船長が5、6隻の船を管理・アドバイスをする未来の運行形態を目指しています。 |
庄司 るり 准教授(海事システム工学科)
今やっていることはすべての基礎で土台となっている。土台をしっかり固めて、やりたいと思うことを見つけ頑張っていってもらいたい。
1961年アラスカ沖で捕獲された全長17.1mのもので、完全な骨格標本としては世界最大級だ。
くじらの目の後ろには退化をしてふさがってしまっているが耳がある。その中に耳あかがあり、これで年齢が調べられる。
白い部分が夏、黒い部分が冬にたまったもので黒白ワンセットで1年ずつ数える。
ただし、これを正確に数えることができる研究者は世界に3人だけ。そのうちの1人が海洋科学技術研究科鯨類研究室博士後期3年 前田ひかりさんなんだ。
作業は顕微鏡でみないとわからない部分も多いため熟練の技術が必要。
Q. | くじらの年齢はなんのために調べるのか。 |
A. | 資源の中の年齢構成を調べるため。年齢構成を調べると今クジラの社会でなにが起こっているのか、来年どのくらいのクジラが生まれてくるのか。などいろんなことがわかる。 |
これまで、クジラの足が進化の過程でどのようになくなったのかは不明だった。ところが2006年和歌山県で骨盤の痕跡が残るあたりに通常にはない腹びれを持つメスのバンドウイルカが捕獲された。
イルカのレントゲンを撮ったところ、大腿骨や頚骨、指などと見られる20余りの骨が発見されたんだ!不完全ながら骨格を形成していることもわかった。
これを調べることによってなんの意味があるというと、"なぜクジラは後ろ足が引っ込んだのか"がわかるのだ。
クジラ研究を大きく前進させるこの研究成果は11月28日にアメリカで開かれている国際海産ほ乳類学会で報告されているぞ。
加藤 秀弘 教授(海洋科学部海洋環境学科鯨類学研究室)
海は偉大。四つ足のほ乳類が魚のような形にかわるのはすべて海の力です。そのメカニズムを人間のために役立てるような研究をしていきましょう。
大学というと先生の授業を受けて、ノートをとって何かを提出する思うけど、意外といろんなことがある。東京海洋大学だけでも研究しているところはみんなちがう。いろんな研究をしているんだなと思う。我々は簡単に見せてもらうけど、すごい時間がかかっているんだよね。前の人たちの研究をふまえた階段が今発表できるわけだよね。
大学生になって研究しても結果が出ないかもしれない。次の人にバトンタッチの係りかもしれない。でもそれをしていかないと先へ進めないからね。