阪神のゴールデンルーキー・藤浪晋太郎投手(19)が14日のDeNA戦(甲子園)に先発し、6回無失点で待望のプロ初勝利を挙げた。この1勝で「金の卵」への評価はさらに上昇。首脳陣は能力をフルに発揮するために新たなチャレンジを計画している。それは「千手観音投法」の習得だ。
大阪桐蔭時代に春夏連覇という偉業を達成したマウンドで、記念すべきプロ初白星。藤浪は「素直にうれしいです」とウイニングボールを手に満面の笑みを浮かべた。投球内容については「調子自体はそれほど良くなかったです。悪いなりの投球ができました」と控えめに振り返ったが、2回には、この日までにリーグトップの6本塁打のブランコを相手に4球すべて直球で勝負を挑み、一邪飛に抑え込んだ。
打撃でも1点リードの5回裏、一死一、三塁でスクイズを決め、自らのバットで貴重な追加点を奪った。この日は、これまで指摘された制球難や走者を背負った際のクイックモーションなどの課題も解消。和田監督も「登板するごとに成長している。今後、さらにいいものを見せてもらいたい」と秘めた能力を楽しみにしている。
すでに首脳陣は、その糸口もつかんでいる。あるコーチはこう指摘する。「今、藤浪の投球フォームは一定じゃない。特に右腕の角度。イニングを重ねると腕が下がることがある。普通なら、これは欠点になるけど藤浪は違う。普通は腕が下がると制球も乱れるんだけど、藤浪にはそういうところがない。逆に球種によっては制球が良くなる」。その上で「今は無意識に腕が下がっているようだが、この腕の上げ下げを意識してできるようになれば大きな武器になる。同じ球種でも腕の角度が変われば、打者は別の球種のように感じることもある」と大きな可能性を感じているのだ。
投げる腕の角度を変幻自在に上下させる「千手観音投法」。
他球団のスコアラーも「確かに投球数が多くなると腕が下がる。でも、非常に器用な面もあるから腕が下がっても、それなりの投球ができる対応力がある。それに腕も長い。意図的にやられたら攻略は難しくなる」と警戒している。実際に阪神でも守護神だった藤川球児(現カブス)が投球の幅を広げるために右腕の角度を変える練習をテスト。左腕エースの能見も普段より腕を下げたフォームを実戦で使用するなどお手本もある。
チーム関係者も「体力的なことやプロの水に慣れるという課題があるだけにすぐにどうこうということはないけど、これから彼が持っている力を最大限に引き出すためにも、腕の角度を変える投法は有効。それができる器用さ、対応力は持っている」と説明する。“千手観音投法”は打者にとって脅威になることは間違いない。プロ初白星を挙げた19歳は無限の可能性を秘めたまさに“新星”だ。
祥伝社
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