――逆に伊藤さん自身が考える自分の武器とは?
伊藤:物を止めない。決断を早くする、ですね。浅香守生さん(代表作「カードキャプチャーさくら」)から俺ら世代までのマッド生粋の演出家の人たちはあまり手が早い人がいなかったんです。逆にそれより上、川尻さん(善昭)やりんさん(りんたろう)、小島さんは早かったんですよね。俺はそれをはがゆい思いをして見ていたので。ここで止めなければ、いろいろやりようがあるんじゃないかと。俺はこの方面で勝負したほうがいい。判断とかは早くしようと。劇場アニメにおいてもそうだと思うんですけど、例えばテレビシリーズの1クールが13本だったとして、全部が全部均等に力を入れなくても良いと思うんですね。中には5割、ないし6割、7割いけば合格点だろう。そこのポイントさえずらさないでいればシリーズとしては合格なんじゃないかな、と。全部が100点を取る必要はないんじゃないか。それの上げ下げをひとりでやるのは無理なので、できる人を何人か連れてくるほうが建設的だし、それを一番左右するのが時間の有無。すると監督の自分がより決断を早くしておくと誰かを投入できる時間ができるかもしれない。自分ひとりの力で100点にするのは無理なので、そのためにはどう作戦を立てればいいか。それが大事だと思うんです。
「銀の匙」での新たな試み
――先ほど少し話が上がった次回作についてのお話をお願いします
伊藤:荒川弘さん原作の漫画「銀の匙 Silver Spoon」を監督させて頂きます。フジテレビ「ノイタミナ」枠で7月にスタート予定です。それもあって「みどりのマキバオー」を見返したりしましたが、作画もうまいし、背景の競馬場も今だったら3Dで競馬場を作ろうとなるんですけど、全部描いている。アナログ的技術でここまでできたんだと関心します。
――「銀の匙」での新たな試みなどはありますか
伊藤:今回は原作の荒川さんの漫画があるし、そんなにコンテもみんな迷わないんじゃないかと思って、『人を育てよう』というのがテーマです。それに今までやってないことをやろうと思って、今回は音響監督をやります。ミキサー、音楽プロデューサーは「時かけ」「サマーウォーズ」でご一緒した人たち、音響効果もオカルトからご一緒している今野さんという頼れる方ぞろい、いかに自分がやりやすいかということを考えてスタッフィングを音響制作の今西さんにしてもらいました。違うことをやっていかないと気分的にマンネリになってしまいそうで。
――大変な挑戦ですね
伊藤:そもそも東映の演出陣は音響監督をやっているので、一度くらいやってみてもいいだろうと。細田さんの自分でディレクションされていますし。今までと少し違った視点で作品を見られるし、マッド先輩陣もまだやっていないので自慢できる(笑)。編集をやって音響監督をやって、これは監督の一個の形だと思って近づけるといいです。作品は監督としてここだけは外したくないという部分さえあれば、あとは各話のスタッフにゆだねられる。今回は荒川さんの原作が力強く、外さないという思いがあるので、それを叩き台にすれば大丈夫だろうと思ってます。
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