【城真弓】大分上野丘高校の化学部が、高分子膜の孔径(隙間の大きさ)に関する研究で特許を取った。昨夏の全国高校総合文化祭では、この研究で最優秀賞を受賞。成果を整え、特許にこぎ着けた。大分県教委によると、基礎研究で高校生が特許をとるのは珍しいという。
研究のタイトルは「高分子膜の研究3〜低分子添加によるコロジオン膜の孔径制御〜」。上野丘高による高分子膜の研究は2009年度から始まった。高分子膜の孔径を変えることは企業などでは一般的で、同校でも過去の研究で、温度によって孔径が変化することなどを突き止めていた。だが高校の実験室では高度な温度調整が難しかった。
より簡単な方法で変えることはできないか探った結果、高分子膜の孔径を調節したり、物質の性質を変えることなく膜で閉じ込めて保存する方法を発見した。
孔径を大きくする時は水分子を入れて孔径を広げ、小さくする時は不揮発性で高分子と結びつきやすく孔径よりも小さいサリチル酸を入れ孔径を埋める――という方法だ。さらに、塩化コバルトを性質を変えないまま孔径の中に閉じ込める方法も見つけた。