安倍晋三首相は16日の衆院予算委員会で、外交安全保障の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の創設に向け、機密を漏洩した公務員に罰則を科す「秘密保全法」の早期制定に意欲を示した。諸外国との機密情報の共有に欠かせないとの判断だが、国民の「知る権利」を損なう恐れがあるとして批判的な意見も根強い。
秘密保全法案は野田佳彦政権も制定を探った。2010年に沖縄県の尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件のビデオ映像や、警察庁のテロ情報がインターネット上に相次いで流出したことが発端だった。
国家公務員法が定める一般的な守秘義務に関する罰則の懲役刑は1年以下。野田政権が検討した秘密保全法案では国の存立にかかわる機密度が高い情報を「特別秘密」に指定し、漏洩した場合は5年または10年以下の懲役刑などを科す厳罰化を目指した。
野田政権では政府・与党内に慎重論が広がり国会提出は見送ったが、今回は安倍首相肝煎りのNSCがからむ。首相は16日の衆院予算委で、諸外国との機密情報の共有に関して「日本が秘密保全法制を整備していないことに不安を持つ国があることも事実だ」と指摘。NSC創設に関する有識者会議が来月まとめる報告書にも法整備の必要性が明記される見込みだ。
ただ国民の知る権利やメディアとの関係など、整理すべき論点は多い。首相は「知る権利や取材の自由を尊重しつつ、さまざまな論点を検討している」と強調したが、日本は米国のように行政文書の記録・保管体制が整っておらず、公開の基準はあいまいだ。秘密保全を強化する一方で、一定期間が過ぎたら公開するルール作りを進めるべきだとの指摘もある。
安倍晋三、野田佳彦
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